フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月29日(日) 晴れたり曇ったり

2015-12-04 08:39:31 | Weblog

金沢旅行二日目。

8時、起床。

ホテルの朝食はつい食べ過ぎてしまう。(ホテルあるある) 

今日は傘のいらないお天気の一日のようである。

駅前からバスに乗り、香林坊(金沢一の繁華街)で降りる。

21世紀美術館へ。

当分先の話だが、21世紀美術館という名称は22世紀になっても変わらないのだろうか? 

プールがある。

底に人がいる。

底に入ってみる。

21世紀美術館は大きな入れ物のような美術館なので、展示されている作品も巨大なものが多い。

妻も進撃の巨人のように大きく見える。

ただ作品を眺めるだけでなく自分が作品の一部になる感覚が面白い。

写真OKの作品が多いのもいい。(もしかしたら写真NGの作品も混じっているかもしれません。ごめんなさい。)

観客も作品の共同制作者として計算されているのだろう。

作品を「見上げる」=「立ち尽くす」人たち。

館外の人に手を振る人たち。

天井がぽっかり空いた部屋でホッと一息。

美術館のそば、百万石通りにある漆器の店「能作」の中の甘味処「漆の実」で一服する。

店内のエレベーターで4階に上がったところにある穴場の甘味処(「能作」の直営店)。金沢に来たときは必ず立ち寄る店の一つである。

 小倉トーストと紅茶を注文。

細かくカットされているので食べやすい。

注目すべきはこの紅茶の入った漆器である。外は朱、内は黒。美しく、もって軽く、しかも熱くない。

右側は妻の器。

この漆器を今回の旅行の記念に購入することにした(1つ8000円也)。

「能作」とは百万石通りを挟んで向かいにある石川県政記念しいのき迎賓館。旧県庁舎を改造したもの。

正面玄関前の2本の大きな椎の木。

中に入ってみる。

ギャラリースペースで「石川県インテリアデザイン協会展」が開催中だった。

金沢市内は二つの大きな川が流れている。1つは昨日行ったひがし茶屋街のそばを流れる浅野川。もう一つは香林坊から歩いてすぐの犀川である。犀川大橋を渡って対岸へ。

川沿いの道を上流へ少し歩いたところにある金沢モリス教会=金沢ステンドクラス美術館。ここに妻と来るのは二回目である。

他に見物客はなく、係の方がわれわれだけのために館内を案内してくれた。

川沿いの道をさらに上流へ。

桜橋を渡る。

幸子イン幸町。

妻の希望で鈴木大拙館へ。

仏教学者鈴木大拙は金沢の出身。彼を記念して建てられたものだが、モリス教会同様、見物人は少ないだろうと思いきや、けっこうな見物客の数であった。みんな、彼の本を読んだことがあるのだろうか?

思索の場として設計されただけあって、人工の池が明鏡止水の様相を呈している。

植田正治の砂丘の家族写真を連想させるではないか。

池の上に建てられたこの建物はドラゴンボールの登場する「精神と時の部屋」のようである。ここで過ごす一日は下界での一年に相当する。一日修行をすれば一年修業をしたことになるのだ。

鈴木大拙館に隣接する北陸放送本社の庭園に入ることができる。

鈴木大拙館のそばにある中村記念美術館横の階段を上がると、石川県立美術館の横に出る。

ちょっとハードな階段であった。

県立美術館に入るまえに石川県立歴史博物館の建物(昔の兵舎)を写真に撮る。

 県立美術館に来たのは、館内のカフェ「ル・ミュゼ・ドゥ・アッシュ・カナザワ」のケーキがお目当てである。そういう人はたくさんいるようで、入口のウィティングリストにはたくさんの名前が書かれていた。展示会を観たり、ロビーの座り心地のよいソファーで歩き疲れた体を休めながら、順番を待つ。

朝ドラ『まれ』のケーキの監修を務めた世界的なパティシエ、辻口博啓(ひろのぶ)氏の手がけたケーキである。

私は出口ロール(加賀棒茶)を注文。

長い時間待った甲斐のある美味しさである。

妻はルビーロマンフレを注文。美味しいだけでなく、見た目にも美しい。

周囲のテーブルの客たちも一様に「美味しいね」と笑顔がこぼれていた。素晴らしきスイーツ空間!

県立美術館を出る頃はすっかり日が暮れていた。

ライトアップされた歴史博物館が幻想的である。

夕食は7時にしいのき迎賓館内のレストラン「ジャルダン・ポール・ボキューズ」を予約しておいた。 

食前酒はいかがしますかと聞かれたので、アルコールはダメなので、ノンアルコールのカクテルを注文。私(右)はグレープフルーツをベースにしたもの、妻は洋梨をベースにしたもの。私の方のグラスの底が青いのは北陸新幹線のイメージして作られたカクテルだからだそうだ。

おつまみのミートパイ。

里芋のチップスとポタージュ。

藁だ燻したガンド(ブリの子)をキャビア・ド・オーベルジーヌ(茄子の種がキャビアのように見えるところからこう呼ばれる)

ビーツのサラダ、レフォール(西洋わさび)のクリーム添え

うっかり写真を撮る前に食べ始めてしまった真鯛とポーチドエッグのラビオリ仕立て

甘粕でマリネした鴨胸肉の肉汁のソース掛け

グリーンキャベツとイチジク添え

アーモンドのかかった洋梨のロティとサブレブルトン

ソースカフェとプラネリクリーム グラスショコラ

コーヒーと小菓子(お好きなものをお好きなだけどうぞといわれてので、マカロン、マシュマロ、フィナンシェ、オレンジゼリーを1つずつ)

ごちそうさまでした。

香林坊からバスで金沢駅まで帰る。

部屋に戻ってから、昨日、ひがし茶屋街で買った中田屋のきんつばを1つ食べる。金沢のお土産はこれが一番。

12時、就寝。