フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

7月15日(金) 雨

2016-07-16 16:37:50 | Weblog

8時半、起床。

トースト、カレー、サラダ、紅茶の朝食。

11時20分にドイツから一時帰国中の卒業生のユミさん(論系ゼミ一期生、2011年卒)と蒲田駅で待ち合わせて、「まやんち」へ行く。

今日から「まやんち」のメニューにピーチメルバが出るのだ。たぶん満席の他の客たちもピーチメルバめあての人が多いと思うが、まずは食事(アフタヌーンティーを注文している人が多い)をとって、デザートとしてピーチメルバを食べるつもりのようである。無論、それがデザートとしてのピーチメルバの「正しい」順序である。しかし、私の流儀は違う。そういうお腹がふくれた状態で、「デザートは別腹よ」などとうそぶきながら、ピーチメルバを食べるなんて、ピーチメルバに対して失礼である。

ピーチメルバと紅茶を注文する。

作シーズン、最後に「まやんち」のピーチメルバを食べたのは9月3日だった(その日、私は店主のまゆみさんから「キング・オブ・ピーチメルバ」の称号を授与されたのである)。だから十月十日ぶりくらいのピーチメルバとの再会である。今年も食べに来たよ。

目で十分にその美しさを鑑賞してから、ピーチ、アイスクリーム、紅茶の順序で口に運ぶ。シロップでじっくり煮た桃のとろりとした触感と桃の甘さとラズベリーソースの甘酸っぱさがからみあった官能的な味わい、そこに冷たいアイスクリームを投入すると、理性は一瞬覚醒するが、それは束の間のことで、桃とラズベリーソースの絡み合いの中にアイスクリームもまた溶けてゆくのである。ストレートの紅茶で口の中に残っている甘さと滑りを払拭したら、ふた切れ目の桃を口に運ぶ・・・。スライスされた桃の花びらは8枚ほどなので、われわれはこの至福のサイクルを8回楽しめることになる。

ユミさんにとっては人生で初めてのピーチメルバである。今回のドイツからの一時帰国の目的の一つがこのピーチメルバであった。

「ピーチメルバにはどんなお茶が合いますか?」と聞かれたので、「とくにどれということはありませんが、あなたに合うのは東方美人でしょう」と勧めると、「やっぱり」という顔で(嘘です)彼女は素直に私のアドバイスに従った。私は春摘みのダージリンを注文。

「まやんち」には1時間ほど滞在した。

われわれはまだ昼食をとっていない。それはこれから「パン日和あをや」へ行ってとるのである。それもまたユミさんの希望である。彼女は「パン日和あをや」は二度目になるが、前回は「まやんち」でアフタヌーンティーを食べてから訪問したので、ドリンク中心で、パンはクロワッサンとあんぱんをそれぞれ半分こして食べただけである。

蒲田ー(京浜東北線)→川崎ー(南武線)→矢向に到着。

雨がかなり降っている。しかし、天気によいも悪いもない。晴れのいい天気、曇りのいい天気、雨のいい天気・・・そういう違いがあるだけだとジョン・ラスキンが「雲」という詩で語っている。

人生は雨が止むのを待っているためにあるのではない。さあ、傘を差して歩いて行こう。

歩くこと10分で「パン日和あをや」に到着。

雨が降っていてもパンは焼ける。「パン日和あをや」はいつもパン日和だ。

本日の王様のおすすめはコッペパンとのこと。

さて、何を注文しようかな。

いつもだと駅から歩いてきて喉が渇いているので、冷たいドリンクを注文するところなのだが・・・、今日は雨に濡れて体が少し冷えている。

本日のスープ、7種のスパイスチキンカレースープ(私はレギュラー、ユミさんはスモール)。

たぶん一番人気の定番メニュー、サーモンとアボカドとチーズのサンド。

本日の特別メニュー、コベトナムサンド。本日の王様のおすすめであるコッペパンを(バゲットのかわりに)使い、スモークチーズとレタスと香草とベトナム風のなますを挟んでいる。

これがとても美味しかった。サクッとしたコッペパンの触感となますのしっとりした触感が絶妙にマッチして雨季のサイゴンの匂いをほうふつとさせる(行ったことないけど)。

二階の和室のお客さんが帰られたので、上がってみる。ここは窓(曇りガラス)からの光の具合がポートレートを撮るのに最適なのである。

眼鏡を外してもらう。

5月末に帰国して1か月半ほどだが、友人知人と会って外食する機会が増えたせいで、体重が2キロ近く増えたそうだ。全然、そんな風には見えないが、本人はそれを気にしている。わかりました。いいアングルで撮りますからね。

ユミさんのベストアングルは、前方を静かに見据えていることころ左45度やや上方から捉えるこのアングルだ。+2キロを微塵も感じさせないでしょ(笑)。

ベストショットが撮れたところで、一階に下りて、奥様にツーショットを撮っていただく。

「パン日和あをや」には1時間半ほど滞在した。

店を出るとき、雨はだいぶ小降りになっていた。

来た時の道は途中に大きな水たまりがあるので、よく舗装された鹿島田駅までの道を歩く。私はこれから大学へ。ユミさんは家に帰る。来週、ドイツに戻るそうで、次に日本に帰ってくるのは年末になる。ドイツでの暮らしを続けながら、そろそろ人生の次のステージのことを考える時期に来ているようである。

その話は今度会ったときに聞かせてください。どうぞお元気で。

東京、少なくとも早稲田周辺では、雨はそれほどではなかったようである。

4限・5限はゼミ。

4限は3年・4年合同ゼミで、3年生のK君、N君、Iさんの個人発表。

休み時間のスイーツは4年生のAさんが用意していれた。

5限は学年に分かれてのゼミ。私は3年生の方に出る。テキストを読んでのディスカッション。

授業を終えて、8時過ぎに大学を出る。「奈津」で夕食をとっていくことにする。

肉野菜炒め定食+水餃子。

水餃子はどうやって食べようか迷ったが、スープに浸して食べた(けっこういけます)。

蒲田に着いたのは10時半ごろ、駅前の屋台で桃を売っていた。安いけど、桃は当たり外れが大きくて、実際に食べてみるまでわからないからな・・・。たぶんこの夏は「まやんち」で食べるピーチメルバだけで十分な気がする。なにしろ現時点では13回食べる予定なのだ。

今夜も夜更かし。午前3時、就寝。