7時半、起床。
晴れわたっている。昨日よりさらに暑くなるのではないだろうか。*実はこの日、広島は梅雨明けだったのである。
シャワーを浴び、『トト姉ちゃん』を見てから食堂へ。
パンベースの朝食。手前の皿はカレー。大皿にはお好み焼きのピースがのっている。
10時前にホテルをチェックアウト。
オープンキャンパスの会場である広島国際会議場へ。
ちょうど開場の時間であった。
関係者控室に荷物をおかせもらい、教職員の方たちに挨拶する。
後から鎌田総長も顔を出されるとのこと。山口での稲門会に出席された帰りにちょっと立ち寄るのそうだ。マメだなあ。
ロビーで卒業生のIさん(論系ゼミ5期生、2015年卒)が待っていた。彼女は昨日のIさんとは違って広島の出身ではないが、外資系の製薬会社にMR(医薬情報担当者)として就職して、広島支店で去年の春から働いているのである。
私の出番(模擬講義)は午後なので、ランチとお茶をご一緒しましょうという約束をしていた。総長に負けず劣らず私もマメである(笑)。
私のカフェ好きを知っているIさん(ゼミの卒業生はみんなそうだけど)、私が好みそうなカフェをネットであれこれ調べてくれていた。ところが、あいにく最初に行ったカフェは満席で、次に行ったカフェは月曜定休(祝日でも)だった。
カフェはひとまずおくとして、私の希望で路面電車に乗ることにした。
路面電車は前と後ろにそれぞれ運転席がある。
いいよね~、これ。『タモリ倶楽部』みたいだな(笑)。
車内にはオープンキャンパスの吊り広告が。
繁華街で降りる。
暑いのでとにかく一服しましょうということで、本通りにある「タリーズ」に入る。「チェーン店ですみません」と恐縮するIさん。
「広島でタリーズとはこれいかに?」
「広島でもコーチ(高知)というがごとし」
交差点にあるカフェは道行く人たちを眺められるから好きです。
この後に行こうとしているカフェをチェックするIさん。昨日は大学のサークル(ワセオケ)の後輩が東京から来て、宮島を案内して彼女のマンションに泊まって行ったそうだ。連日の「広島観光案内」で申し訳ないです。
製薬会社のMRというと、医者もののTVドラマだと「接待」というのが仕事の大きな部分を占めているような印象だが、それは昔の話で、いまはそういうことはなくなったそうだ。とくに彼女の会社では「接待」はダメということで徹底されているそうだ。
再び路面電車に乗って繁華街を離れる。
連れて行ってもらったのは「十日町アパート」という名前のカフェ&バー。
アンティークな雰囲気。私が腰を下ろした古いソファーもスプリングの存在をお尻でしっかり感じることができます(笑)。
「アパート定食」を注文。ミニサイズの鮭のフライやメンチカツがのっている。
店外にある喫煙所でツーショットの写真を撮る。
食後のコーヒーは少し歩いて別のカフェで。
「カフェ・ド・パブロ」。年配の物静かなマスターが一人でやっている落ち着いた雰囲気のカフェである。
カメラを向けると砂糖入れのスプーンを持つ仕草をしてくれた。写真を撮られるのは苦手といっていたけれど(たいていの人はそうです)、だいぶ馴れてきましたね(笑)。
チーズケーキとブレンドコーヒーを注文。Iさんはチーズケーキが大好物だそうで、学生のときも「カフェゴトー」ではもっぱらチーズケーキばかり食べていたそうだ。
ここのチーズケーキはレアとベイクドの中間くらい、ミディアムレアっていう感じですね。美味しいです。
縁もゆかりもない土地に来て、仕事に頑張っているIさん。「大変だね」と私がいうと、「お客様からも、馴れない土地で大変だねと言ってもらって、可愛がっていただいています」と言って笑った。なるほど、そういうふうに、自分がどう見られているかをちゃんとわかって仕事をしてるんだ。なかなか大したものである。
彼女の横顔に意志の強さを感じる。それは気が強そうというのとは違う、「私はこの仕事で生きていくのだ」という覚悟をした人の顔である。凛として美しい。
さあ、そろそろ楽屋入りの時間だ。平和記念公園を通って国際会議場へ向かう。
最後に会場のロビーで大学のマスコットキャラであるワセダベアと一緒に写真を撮る。
今日はどうもありがとう。東京に帰ってくるときは連絡くださいね。今度は私のいきつけのカフェにご案内しましょう。
「卒業生のFさんという男性が先生にご挨拶したいと言って来られています」と係の人から言われる。Fさん? すぐに思い出せなかったが、お顔を見て思い出した。1997年に一文の社会学専修を卒業した方で、私は彼の卒論を指導したのだった。名刺をいただいたが、広島と東京に事務所をもつ会社の社長さんである。私が大学で彼を教えていたのは、ちょうどいまの彼の年齢の頃だ。同期の卒業生の名前が何人か出て、その動向についても教えてもらった。今日は中学生の息子さんとオープンキャンパスにやってきたとのこと。父親と同じ大学をめざすことになるのだろうか。
本日の私の模擬講義のタイトルは「社会学入門」。講義「日常生活の社会学」の初回の部分をアレンジした内容である。講義時間は40分。大学で話すときの半分弱の時間である。当然、話し足りないのであるが、時間通りにピッタリ終わり、続きはどうぞ戸山キャンパスの教室で、あるいは私の本を買って読んで下さいと宣伝しておく。
熱心な女子高生が講義の後に質問に来たので、丁寧に答えておいた。絶対、好感度が上がったに違いない(笑)。
仕事を終えて、会場を後にする。バスに乗って駅へ向かう。バス停で乗るべきバスについて地元の高校生らしき男子二人連れに尋ねたら、「いま、先生の講義を聴かせていただいた者です。とても興味深かったです」と挨拶される。聞くと、地元の高校生ではなく、今日のオープンキャンパスのために岡山から来たという。私の中での岡山の好感度が上がる(笑)。
16時13分発のぞみ42号に乗り込む。
座席に腰を下ろして、すぐに眠たくなり(寝不足である)、1時間ほど仮眠をとる。
名古屋を過ぎたあたりで、広島駅構内で買った「穴子飯」の伝統を広げる。
穴子飯は宮島の名物だそうだが、こうやって駅弁で食べても美味しい。
8時半ごろ、帰宅。
「ただいま帰りました。」『トト姉ちゃん』の一家は帰宅したときに「ただいま」と略さずに、「ただいま帰りました」と言う。あのマネをしてみようかとチラッと思ったけれど、やっぱり、「ただいま」と言った。
風呂に入ったとき、尾骶骨の辺りがひりひりしたのは、往復で8時間、新幹線のシートに座っていたからであろう。一種のエコノミー症候群である。
2時、就寝。