9時、起床。
パンと紅茶のみの質素な朝食。(今日はランチをしっかり食べる予定なので)
11時半に卒業生のアリさん(一文、社会学専修)と蒲田駅の改札で待ち合わせる。彼女は今日、遠路はるばる筑波から蒲田までやってきてくれたのである。
ランチはどこで食べましょうとその場で相談して、「西洋料理SUZUKI」にしましょうということになる。お店に電話をして、大丈夫とのことなので、決定である。今年初めての来店である。お店の方から「いつもありがとうございます。今年もよろしくお願いします」と挨拶される。常連というほどの頻度では来ていないが、一応、顔なじみの客ということだろう。
ランチメニューではなくアラカルトで注文する。
私はコーンポタージュスープ。
彼女はオニオンスープ。
ビーフシチューと海老フライを注文し、シェアする。中華料理では料理をシャアするのはふつうだが、西洋料理ではどうなのだろう。たぶんインフォーマルではないかと思うが、かたいことは抜きである。あれこれ食べられた方が楽しいに決まっている。
やわらかに、やわらかに調理された牛肉と、
サクッと揚がった大ぶりの海老フライ。この食感の組み合わせは実によい。
いつもであれば、食後にコーヒーを注文し、それに付随するプリンアラモードをいただくところであるが、この後、「スリック」にいくことになっているので、コーヒーは割愛する。
今日は夕方、4時くらいまで蒲田にいられますとのこと。家族の夕食はカレーを作っておきましたとのこと。
彼女は月に一、二度、二人のお子さんをご主人に預けて、東京の方へ出掛けて、買い物をしたり、友人に(ときに大学時代の先生に)会ったりしている。そのときは「〇〇アリ」でなく、旧姓の「△△アリ」になるのだそうである。そういうスイッチの切り替えはよいことである。名前はたんなるラベルではなく、アイデンティティ(私は・・・である)の一部である。結婚を機に名前が変わるというのは圧倒的に女性的経験だが、新しい名前は家族役割(妻、母、嫁)をアイデンティティの中心に据えるものである。それは自然な成り行きではあるが、家族役割で自己の全体を覆いきれるものではない。家族役割に還元できない自己の部分にも何らかの表出の機会を与えないと、自己は窒息してしまうだろう。理解のあるご主人でよかったですね。
週に一度、ジムに通っているそうだが、もしボクシング・エクササイズでも始めたら、そのときは「モハメド・アリ」になるのかしら(笑)。
「スリック」に到着(ここは予約を入れておいた)。
モノトーンの店内に今日のファッションはお似合いです。
マダムに彼女を紹介する。
彼女はラプサンスーチョンを注文した。名前と香りだけは知っているが、飲むのは初めてだそうである。思い切った決断である。ラプサンスーチョンはマダムのイチオシの紅茶であるが、スモーキーな香りが独特で万人向けとはいえない。
私もお付き合いしてラプサンスーチョンにした。ここでいただくのは三度目だが、馴れたのか、あるいは今日は普段より薄めだったのか、飲みやすかった。
シフォンケーキは私は瀬戸内冬レモン。
彼女はプレーン(トッピングは三種のベリー)。私のブログの愛読者である彼女はマダムが「初めて来られた方がプレーンを注文すると『うむ、できるな』と思います」と書いたのを覚えていたのかもしれない。
彼女がバッグの中から数枚の写真を撮り出した。彼女の結婚式のときの写真である。もう10年以上前になる。私は彼女の結婚式に出席してスピーチをしたのだが、当時はまだいまのようにカメラを持ち歩いておらず、結婚式のときの映像は記憶の中にしか残っていない。今度会うとき写真をもってきれくれませんかとリクエストしておいたのである。うん、記憶の中にあるとおり、美しい花嫁である。
彼女の結婚式に出た日のブログは→こちら
彼女がバッグの中に入れて来たのは結婚式のときの写真だけではない。去年の10月から始めたという日記帳も入っていた。前回、私と会ったのが9月30日で、その翌日の10月1日から日記を付け始めたのである。これまでも何度か日記を付けようとしたことはあったようだが、長くは続かなかった。今回はそれがすでに年をまたいで続いている。どうやら定着したようである。よかったのは、一日一頁タイプではなく、左頁が一週間分のスケジュール帳、右ページがメモ欄になっているタイプのものを選んだことだろう。一日一頁タイプのものはモチベーションの高いスタート時点はよいが、しばらくすると一頁を埋めるのがしんどくなってくる。週間スケジュールタイプのものなら一日分のスペースが小さいから圧迫感はない。もしたくさん書きたいことがあったら右頁のメモ欄に書けばよい。
彼女がバッグの中に日記帳を入れて来たのは、「続いてますよ」というのを私に報告するためである。学生のレポートみたいである(笑)。実際、彼女に限らず卒業生と会っていると学部時代の「補講」をしているような気分になることがある。
マダムにわれわれの写真を撮ってもらったので、マダムとアリさんのツーショットも撮らしていただく。
アリさんは厨房の中の包丁が気になっているようである。自分もああいうふうにキッチンに包丁を並べてみたいという。そ、そうですか。私にはちょっと恐怖感がありますけど。
恵比寿のギャラリーでカフェ仲間の清水直子さんたちのグループ展をやっているので、ちょっと行ってみることにする。 ギャラリー「Malle」(まぁる)は右の道をちょっと入ったところにある。
彼女はこれまでに何度か、私と、あるいは一人で、清水さんの作品展に出かけているのである。
彼女は清水さん作のご飯茶碗を購入した。風船がカラフルである。
在廊していた清水さんとお店の外で写真を撮る。
私はプードル柄の小皿を購入。
私は保立葉菜(ほたて・はな)さんの木版画が気に入ったので、手頃な値段のものを一枚購入する。
「喫茶店シリーズ・ホットケーキ」
作家さんご本人が在廊されていたので、ご一緒に写真を撮っていただく。同じ「喫茶店シリーズ」に「タマゴサンド」「ナポリタン」「コーヒーゼリー」があり、「タマゴサンド」にするか「ホットケーキ」にするか迷ったが、「ホットケーキ」をオーダーした。昔話風の物語性の豊かな作品である。グループ展は28日(日)まで。
「
まだもう少し時間があるということで、恵比寿ガーデンプレイスに行ってみることにした。駅からの動く歩道ではなく、下の道を歩いて行く。途中でポートレートを撮りながら。
モデルスイッチが入ったみたいですね。
ガーデンプレイスに到着。
園内はポートレイトにもってこいの場所がたくさんある。
仮設のスケートリンクが作られていた。氷ではなく大理石のようn模様の石のリンクである。彼女の目が輝いた。
実は、彼女は高校生時代、カナダにいたのだが、そこでスピースケートをやっていたそうである。
タワービルの最上階に上ってみる。
38階からの眺め。
時刻は4時を回った。そろそろ時間ですね。
東京都写真美術館前。
私は展示会を見ていきますので、アリさんとはここでお別れです。
次回は軽やかな服装の季節に会いましょう。
閉館までの1時間半で、3つの展示会を見て回った。
「生誕100年 ユージン・スミス写真展」
「アジェのインスピレーション ひきつがれる精神」
「日本の新進作家vol.14 向くと経験の写真」
どれも見ごたえたっぷりだったが、ユージン・スミスの存在感は圧倒的だった。
いずれの展示会も今月28日(日)までだが、なんとか平日にもう一度来て、じっくり見て回りたい。
さあ、帰ろう。
夕食は豚しゃぶ。
2時、就寝。