フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

5月9日(木) 曇り

2019-05-12 16:46:35 | Weblog

8時、起床トースト、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

今日の『なつぞら』。 というよりも今週の『なつぞら』。主人公が地方から東京に出てくるというのは、あさドラ(とくにNHK東京制作の)の典型である。『ひよっこ』しかり、『半分、青い』しかり、『まれ』しかり(正確には東京ではなく横浜だが)、そして『あまちゃん』しかり。物語の舞台が地方であることはその地方の観光産業にはよいことだが、なにしろ半年続くドラマであるから、物語の舞台を地方に固定してしまうと閉塞感が出てくる。上京は近代日本人の人生の物語の主要なパターンであり、地方(田舎)→東京というカメラの大転換はドラマに活力を生み出すだろう。実際、私は『ひよっこ』という朝ドラが大好きであるが、本腰を入れて見始めたのは主人公が東京に出てきてからである。『ひよっこ』の主人公の上京の理由は、失踪した父親を捜すためと、東京で働いて田舎の家族に仕送りするため(父親がやっていたことの肩代わり)であった。一方、『なつぞら』の主人公の上京は、はぐれてしまった兄と妹に会うためと(これは『ひよっこ』の場合と似ている)、アニメーターになるという夢のためである(これは漫画家やパティシエになるために上京した『半分、青い』や『まれ』の主人公と同じである)。『なつぞら』の主人公の上京の困難は、「夢のために女の子が上京する」という現代では比較的受け入れやすい理由が、かつてはそうではなかったことである。さらに加えて、主人公を上京させまい(ここにいてほしい)という力が相当に強いことである。具体的には泰樹(草刈正雄)の存在である。しかし、結果的に、彼の勇み足的な行為(なつを柴田家の長男の照男と結婚させようとする)が意図せざる結果としてなつの上京(柴田家からの離脱)を後押しすることになるのである。

昼前に家を出て、大学へ。

3限は大学院の演習。

演習を終えてから研究室で昼食。コンビニおにぎり2個(鮭と梅干)とミニカップワンタン。

 

5限は講義「日常生活の社会学」。前回(GW前)の授業のときは室温が高くて難儀をしたが、今日はそれほどではなかった。曇り日だったためと思う。これからも木曜日は晴れないでほしい。 

帰りがけに「文禄堂(あゆみブックス)」で、村上春樹・柴田元幸『本当の翻訳の話をしよう』(スイッチパブリッシング)を購入。雑誌『MONKY』での何回かの二人の対談を一冊にまとめたものである。

電車で座って買ったばかりの本を読んでいると、目の前に老夫婦と思しき二人が立った。私の隣に座っていた若い女性が夫人に席を譲った。さて、私もそれにならって夫の方に席を譲るべきかどうかで迷った。相手は私よりも年配の方であることは間違いないが、よぼよぼのおじいさんではない。私も一応高齢者である。高齢者が高齢者に席を譲るわけであるから、相対的に(あるいは見かけ上)「私も高齢者であるが、あなたよりは若い」というメッセージがそれに付随することになるが、相手はそれにどんな気持ちになるものだろうか。もし目の前にいるのが夫人の方であれば、私は年齢の問題よりも、「レディーファースト」的意味合いで席を譲ることをためらはないであろう。男同士というといころが微妙なのである。私はすぐには席を立たず、数駅待って、自分が降りるべき駅についてから黙って席を立った。夫も黙って空いた席に座った。席を譲られたのではなく、空いたから 座ったのである。老老介護ということが問題になっているが、こうした(電車の席の)老老譲渡の問題もこれから話題になる時代がくるだろう。

夕食はキムチとレタスのチャーハン。

ピリッとしてヘルシーである。 

デザートはメロン。 

 2時、就寝。