フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月18日(月) 晴れ

2023-12-19 13:07:14 | Weblog

8時45分、起床。

バタートースト、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。トーストはいつものようにチーズトーストにするつもりだったのだが、トースターに入れるときパンにチーズをのせるを忘れてしまったのだ。久しぶりのバタートースト。トーストの基本である。

昨日のブログを書いてアップする。昨日と同じく、足元にはチャイがいる。

2時近くになった頃、昼食を食べに出る。庭の桜はほとんど落葉し、一枝の先だけ何枚か葉が残っている。

池上の「ハナコーヒー」まで歩いていく。途中の女塚小学校の前の通りに「濱清」がある。年に一度、一月三日に妹夫婦がうちに来るときに出前の鮨(特上)をとるだけなのだが、「いつもありがとうございます」と挨拶をしてくれる。

「ハナコーヒー」までの道のりは20分くらい。けっこう歩いている感じはするが、往復しても大学に出る日よりも歩数は少ない(五千歩台)のは意外である。通勤ってけっこう歩くのだな。

「ハナコーヒー」に到着。横道にあり、周囲にお店はない。

「お久しぶりです」とマダムに言われる。そうか、11月は来ていなかった。

前回来たとき(10月23日)は店内はハロウィン仕様だったが、いまはクリスマス仕様である。

玉子サンドのランチセット(サンド、ドリンク、ミニ台湾カステラ)にミネストローネスープをオプションで付ける。

食事をしながらキンドルをテーブルの上に置いて読書。

小沼丹『椋鳥日記』から「テムズの灯」を読む。

 歩いていて、何となく埃っぽくなったらヴィクトリアで、時間も申分無い。駅の傍にレストランがあったから早速這入って、冷いカアルスバアグを飲んだ。魚料理専門の店なので、スモオクド・サアモンを注文したら頗る美味い。この魚屋レストランが気に入って、それからちょいちょい行くようになった。
 二階はちゃんとしたレストランだが、階下は往来に面して長いカウンタアがあって、そこの高い椅子に坐ると窓越しにウィクトリア駅が見える。もう一つ、背中合わせに奥に向かって坐るカウンタアもあるが、其方に坐ったことは無い。窓際のカウンタアに坐ると、赤い二階バスが通り、目の前の歩道をいろんな人間がぞろぞろ通る。そんな雑踏を観ながら、鮭を前にビールを飲むのは悪くなかった。段段暗くなると、向こうの花屋の灯が明るくなる。向こうのヴィクトリア駅から汽車に乗ると、巴里にはいけるが東京には行けない。そんなことを考えて、旅人らしい気分になることもある。 

食事を終えて、「テムズの灯」を読み終わるのにもう少しかかりそうだったので、イチゴのパフェを注文した。

 二階の給仕はみんな男だが、階下には若い女の給仕が三人いた。三人共愛想が好いが、なかの一人は動作がきびきびしていて言葉遣も丁寧で良かった。一度誰かとビイルを飲みながら話していたら、日本は何とかだ、とか云う声が聞えた。日本の悪口を云っているらしい。見ると奥のカウンタアの斜め左手に坐っている親爺が、独言を云っているのである。かなり酔っているらしいが、決して此方は振向かずに奥を向いてぶつぶつ云っている。変な親爺がいるなと思っていたら、その娘さんが親爺の傍らに行って、上手に表へ連出してしまった。
 ー酔って、お金が無いので不平を云っていたのです。
 と笑っている。

椋鳥日記』は風景描写と人物描写のバランスがいい。「街を描く」というのはそういうことだ。

「テムズの灯」を読み終えて、店を出る。支払いの時、マダムに視力はいいのですかと聞いたら、「老眼で近視です」というので、キンドルはいいですよと勧めておいた。大きなフォントでリーディンググラスなしで読めます。「小説を読まれているのですか」と聞かれたので、「エッセーです。1970年代のロンドンの滞在記」と答えると、「大昔のロンドン」と言ったから可笑しかった。夏目漱石の時代の話ではない。50年前だからマダムはもう生まれていたはずである。でも、まだ小学校に上がる前かな。

たぶん年内に来るのは今日が最後だと思うので、「よいお年を」の挨拶をして、写真を撮らせていただく。

これから大晦日までの2週間は馴染みの店に「よいお年を」の挨拶をして回ることになる。

「ハナコーヒー」は年内は25日(月)まで営業し、年始は4日(木)からである。

帰りに花屋「紅葉花園」に寄る(「濱清」と同じ通にある)。

12月末に閉店だからこれが最後になるかもしれない

店主さんが私の顔を見て、「早稲田の先生だったんですね。うちのことを何かに書いてくださって、それを見た昔なじみのお客さんが閉店のことを知って来てくれました。ありがとうございます」と言った。ブログの記事(11月20日)のことである。お役に立ててよかったです。

たまたま店に来ていた方が、われわれの会話を聞いていて、「ご一緒の写真を撮りましょう」と言ってくれた。

店主さんが花屋のご主人と結婚されたのは55年前、1968年のことである。前の東京オリンピックの後、前の大阪万博の前のことである。長い間、お疲れ様でした。どうぞお元気で、よいお年を。

新しい仏花を仏壇に飾る。

夕食は焼き鳥、卵と小松菜とベーコンの炒め、味噌汁、ごはん。

食事をしながら『下剋上球児』最終回(録画)を観る。果たして越山高校は地区予選決勝に勝って、甲子園に行けるのか。

妻「最終回は甲子園貸切って撮ったらしいよ」

私「・・・・」

禁断のネットの情報を妻はしゃべっているのだ。「離縁」という言葉が一瞬、頭の中を過った

エンディングの場面で、甲子園球場のスコアーボードが映り、越山高校は一回戦で柏国際高校(千葉の架空の高校)に11ー0で敗れたことがわかった(試合そのものは映されなかった)。

オンデマンド授業の収録。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

2時、就寝。