6時、起床。ウィンナーのキャベツ炒め、ライ麦パン、紅茶の朝食。7時ちょっと過ぎに家を出る。今日は午前中に所沢キャンパスで会合あるのだ。私は1限(9時から)の授業はもっていないので、普段、めったにラッシュアワーの電車に乗ることがない。なので、たまにそういうことがあると、緊張する。しかし、電車は混んではいるが、本当のラッシュアワーには少し早い時間帯なのだろう、恐れていたほどではなかった。蒲田→品川→池袋→小手指(こてさし)。集合時間の9時より20分ほど前に小手指に着いた。増山先生、岡部先生、事務所の方とスクールバスに乗り込み、9時半に所沢キャンパスに到着。所沢キャンパスに来ることは年に一度あるかないかである。同じ大学のキャンパスとは思えない風景が広がっている。今日は日射しが暖かい。大寒だが小春のようである。
会合は1時間ほどで終了。来るときは西武池袋線の急行に乗ったのだが、帰りは所沢から西武新宿線の特急に乗り換えて高田馬場まで。350円(特急券)で所用時間が半分になった。
昼食は「すずきん」の鰻重にしようと思ったが、開店前だったので、「たかはし」の生姜焼き定食にする。岡部先生は「たかはし」に来るのは初めてとのことで(出前のお弁当はよく食べている)、煮魚(銀むつ)定食を注文されて「おいしいですね」と言っておられた。大学周辺の定食家では「たかはし」が一番だと思う。
4限は大学院の演習。窓から31号館の解体作業用の足場で働く人の姿が見える。西日を浴びて、壁に人影がはっきりと映り、まるで二人一組で息の合った作業をしているように見える。この建物もいよいよ解体される。
6限の講義「ライフストーリーの社会学」はこれまでの総括と補足。試験向けの話もする。授業の最後に授業評価アンケート(マークシート方式)を実施。コースナビからも任意で出来るシステムになってはいるのだが、それだと回答率は驚くほど小さいので、今年度は教室で実施することにした。もちろん無記名。「何も書いても成績には影響しませんから」とアナウンスする。
昼間は暖かかったが、夕方から急速に冷えてきて、大寒らしくなった。夕食は「五郎八」でカキ丼(ご飯は少なめで)とセイロのセット。
あゆみブックスで、サルトル『嘔吐』の新訳(鈴木道彦訳・人文書院)を購入。電車の中で読む。
「一番いいのは、その日その日の出来事を書くことだろう。はっきり見極めるために日記をつけること。たとえ何でもないようでも、微妙なニュアンスや小さな事実を落とさないこと、とりわけそれを分類すること。このテーブル、通り、人びと、刻みタバコ入れが、どんなふうに見えるのかを言わなければならない。なぜなら変化したのはそれだからだ。この変化の範囲と性質を、正確に決定する必要がある。」(7頁)
「変化したのはそれだからだ。」の「それ」には傍点が打ってある。人間の存在(実存)そのものを指しているわけだが、「それ」を直接に記述することはできない。記述できるのは「それ」が認識したものだけである。