フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月16日(水) 晴れ

2011-03-16 18:43:09 | Weblog

  午前8時、自宅から更新。
  昨夜、静岡東部の地震のあった後に、ゼミの学生のワセダネットのメールアドレスに安否確認のメールを送った。すぐに返信のあった学生もいたが、普段よりも反応が鈍い。時間帯が遅いせいかもしれないが、ケータイなどへの転送設定がちゃんとできていない可能性がある。大学のメールシステムは3月9日から新システムへ移行した。従来の転送設定のままだと新しく送信されたメールが転送されないのだ。自分からワセダネットにアクセスしてください。大学からのメールが何本か届いているはずです。ついでに転送設定を改めてしておいてください。

  もうすぐ午後7時になる。教務室から更新。
  さきほど本部のスタジオで基礎講義(総説)の録り直しをしてきた。前回(3月4日)収録したものをチェックしたら一部で重要な言い間違いをしており、短いものだし、録り直しをした方が簡単だと判断し、今日の収録をお願いしておいた。そのコンテンツは、私の1分ほどの前説、浦野学術院長の「文化構想学部の理念と歴史」のお話(10分程度)、そして私が再び登場して基礎講義の履修の仕方の説明(10分程度)という3部構成になっている。収録し直したのは後半部分なのだが、あえて前説の部分とは違う服装でカメラの前に立った。たぶん、学生は「あれ、服装が違う・・・。なんで着替えたのだろう」といぶかしく思うはずである(少なくとも女子学生は気づくであろう)。そのことに自ら触れて、実は、前説部分は3月4日に収録したものであり、この後半部分は3月16日に収録していること、そして、この間に起こった文字通り日本を揺るがした大きな出来事に言及した。しかもそれは過去形ではなく現在進行形の出来事で、今日も余震は続いているし、原発事故の行方も気になる、そうした状況の中での収録なのだということを述べた。しかし、このコンテンツをみなさん(1年生)が視聴している時点では、一応、出来事は現在完了形になっているはずである(そうでなければ1年生がこのコンテンツを視聴することはないだろう)。「大変な時期を乗り越えて、いま、みなさんはこのコンテンツを視聴しているわけです。これから一緒に勉強していきましょう」と呼びかけた。当然、このコンテンツは2011年度しか使えない。1年後、また収録のし直しだ。ライブ感覚のあるオンデマンド授業という新たなジャンルを開拓したい(笑)。


3月15日(火) 曇り

2011-03-15 23:39:21 | Weblog

  午前11時半、教務室のPCから更新。
  TV画面の中の世界は緊張感に満ちているが、キャンパスには曇り日の静けさがある。
  午前中に予定されていた本部での会議と、午後に予定されていた論系の教室会議とガイダンスが中止となり、何の予定もない一日となった。何の予定もないが、予定していないことが起こることがあるので(最近はそれが多い)、大学に来ている。結局、毎日来るわけね。

  午後11時半、自宅の書斎から更新。
 1時間ほど前、静岡東部(富士宮市あたり)で震度6強の地震が発生した(東京は震度3)。非日常的な状況が半ば恒常化しているが、こうした日々の中で、鈍感にならないこと、過剰に反応しないこと、そうした平衡感覚が大切だ。日常を維持していくというきっぱりとした意思が必要だ。個人の内部の意思だけでなく、個人間の意思、そのネットワークが大切だ。私は、まだちょっと歯が痛いけれど、元気です。


3月14日(月) 晴れ

2011-03-14 14:37:33 | Weblog

文化構想学部・文学部の学生へ

論系・コースの科目登録ガイダンス(新2年生以上対象)は、計画停電による交通機関の混雑・混乱が予想されるため、すべて中止と決定しました。

ガイダンス内容は文学学術院のHPや論系・コースのHPに順次アップしていきますので、必ず目を通してください。

*3月28日に予定されている新1年生対象の科目登録ガイダンスは予定通り実施します。

なお、科目登録のスケジュールは変更ありません

**************************************************************

  午後8時、教務室のPCから更新している。
  状況がめまぐるしく変わる。明日のことは不確かだ。
  その中でいろいろな決定をし、実行していかなくてならない。
  習慣に従って行動すればよい日常的世界からはずいぶんと遠い場所にいる。


3月13日(日) 晴れ

2011-03-13 21:34:42 | Weblog

  深夜0時を少し回ったところ。
  FM放送を聞きながらブログを更新している。
  地震情報の合間に人々を元気づける曲を流している。ラジオならではのものであると思う。どこのTV局も同じ映像を繰り返し使って被災地の悲惨な状況を伝えているが、ラジオは映像を使えない分、言葉と音楽でメッセージを発信している。人々が必要としているのは情報だけではない。

  予感だが、「2011.3.11」は戦後の日本社会の転換点として語られることになるだろう。さらなる個人化の時代が長く続いてきたが、もしかしたら、新しい展開がみられるかもしれない。甘い考えだろうか。子供っぽい考えだろうか。しかし、危機の時代は不安と希望が隣り合わせだから、私たちは不安の真っ只中で、希望について語ることができる。

  今日、大久保ゼミのゼミ長であるAさんからゼミのメンバーにメールが届いた。こんなメールだ(2通続けて)。

  茨城で被災して昨夜帰ってきました。 
  Twitterなどで言われているとおり、茨城の避難所は死角となっていて自分たちで物資を集めざるを得ない状況でした。電気ガス水道もダメで、トイレは詰まり異臭がたちこめ、料理は包丁、まな板、鍋など洗わずに、ガスボンベで行っています。灯油のストーブも少しずつ燃料がなくなり、ダンボールもなく冷え込んだ地べたで皆さん夜を耐えています。ご高齢の方ばかりです。被災地に残りたかったけれど、サークルできていたため、集団行動をとらざるを得ませんでした。心残り…
  もちろん、宮城や新潟ほか震源地にも救援は行き届いていないそう。
  というわけで、今日15時から田町で、高校の友人が情報共有、救援活動の立ち上げを行うそうです。何をするかわからないけど、時間のある人は私にも連絡ください。私はいまからいきまーす!
  就活、試験、家族といる人はそちらを優先してください(^^)大切な人に心配をかけないことも、必要な選択です。(茨城にいて学びました(^^;;

  先程の件について、補足させてください(>_<)煽るようなメール回してすみません。
  学生がいま動いてもありがた迷惑なのは十分理解しています。
  ただ、情報が錯綜していて不安を利用した犯罪が身近に起きていたり、家族や同級生と連絡のとれない人がまだいること。あと、学生が個人的にあちこちで募金活動してること、素人なのに単身震源地に行こうとしてること…など、これ以上の混乱のないように、という心持ちでわたしはその場に参加します。
  なので、私よりずっと冷静で(笑)賢明なみんなの知恵が欲しいと思ってメーリス回しました(^^)

  ・・・私はいい学生をもった。だから希望について語ることができる。


3月12日(土) 晴れ

2011-03-12 20:59:32 | Weblog


朝、馬場下の交差点

  いま午前10時。教務室のPCから更新している。同僚の先生のご両親が陸前高田にいらして、あの津波の映像を見てから、重い気分になっている。どうかご無事でありますように。

  東京は、電気、水道、ガスのラインは断裂しなかったので大きな混乱は生じなかったが、交通網と通信網が麻痺して、別々の場所にいる人間同士が互いの安否を確認できない不安な時間が長かった。家族ひとりひとりの生活空間が分離している都市生活ならではの不安の形だ。

  春休み中でキャンパスにいる学生が少なかったのが幸いだったが、これがもし学期中であったらと考えると、ゾッとする。キャンパスは工事中で、とりあえず避難するための広い空間がない。戸山公園をめざすことになるわけだが、キャンパス内の動線は複雑で狭いから混雑・混乱は必至だ。教室の出入り口や廊下に災害時の避難経路を図示しておく必要がある。

  娘からメールで、今日明日の公演は延期になったとのこと。

  戸山キャンパスでは、吉田順一先生の最終講義が延期になった。


昼、「たかはし」で


娘からの連絡を待ちながら「シャノアール」で

  娘は昨夜は清瀬にある劇団の主宰の方のとろこに泊まった。連絡があって、途中で早稲田で待ち合わせて、一緒に帰ることにした。

  東西線も京浜東北線も空いている。3時頃、帰宅。


書斎

  実は、昨夜から右上の奥歯に痛みがある。疲れと寝不足のせいと思われる。かかりつけの歯医者さんに電話をするといまから来れますかというので、診てもらいに行く。かみ合わせの調整をしてもらって、薬(抗生物質と鎮痛剤)を処方してもらう。今日はキャンセルの患者さんが多いようで、ちょうど空いている時間帯だったようだ。
  TSUTAYAにDVDを返却に行く。昨日が返却日だったのだが、帰宅できずに一日遅れてしまったが、延滞料は請求されなかった。地震という災害に対して市場も対応している。街の治安も保たれている。