文化逍遥。

良質な文化の紹介。

わたしのレコード(CD)棚―北インド(2)Manilal Nag & Mahaprush Misra

2011年03月05日 | わたしのレコード棚
3月の声を聞いてもここ数日は千葉も冷え込んで、朝は0度近くまで気温が下がった。
そうは言っても季節は確実に進み、我が家の庭の梅もほころんできた。
Ume




前回に続いて北インドで今回はシタール。シタ-ルといえばラビシャンカールが有名だが、ここは1985年9月12日に来日してすばらしいコンサートを行い、さらにその時にスタジオ録音をしたManilal Nag(シタール)とMahaprush Misra(タブラ)をとり上げる。下のCDが、その時の録音を収録したもの。

Manilal_nag

実は、わたしもこの時のライブに行った一人である。



 会場はお茶の水の日仏ホールだったが、なにせ25年も前の話だから記憶もかなり薄れている。200人ほどが入れる小さいホールなので、お客は満員で立ち見が出る盛況だった。そのときなんと演奏者たちは立っている客をステージのあいている場所に入れて座らせた。つまり、ステージの下から見ると演奏者3人を車座になって聞く者が取り囲んでいる状態だった。しかし、不思議なことに特に違和感もなく、演奏は自然に進んでいった。インドでは演奏者の周りを取り囲むように胡坐をかいて座って聞くのがむしろ普通なのかもしれない。スポットライトなどの照明効果やエフェクトなど効果音は一切使わない文字どおりのアコースティックコンサート。あの音聞かされたんじゃ今のやたらと効果音を使い、照明をキラキラさせた薄っぺらなライブは行けない。金さえ取れればいいってもんじゃないだろうが・・・っと怒ってみてもしょうがないが、せめて会場を出た後に耳が痛くなるような音作りは止めてもらいたいものだ。
ナグは今も健在なようだが、すばらしいタブラを聞かせてくれたミシュラはこの日本での録音の後亡くなったという。惜しいことである。この2枚のCDは発売時一枚3000円もしたが、今は2枚組になってかなり手に入り安くなっているようである。


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