最近は本を買うことがほとんど無く、もっぱら図書館で借りての読書だが、どうしても手元に置きたい本や早く読みたいものも稀にある。今回買って読んだのもそんな本で、この4月に出たばかりの新書だ。
帯を見ただけでクラッシック音楽が好きな人ならおよその内容が想像できるかもしれない。わたしはと言えば、クラッシック音楽には疎いのだが、第二次大戦前後のヨーロッパで音楽家達がどのような行動を取ったのかは興味深いところ。独裁者の恐怖政治の中でミュージシャンはどんな行動を取るべきなのか、重い選択が演奏家や指揮者に迫られた、そんな時代。時の政府に加担した者、あるいは演奏そのものを拒否してパルチザンに加わった者。様々な演奏家あるいは指揮者100人ほどがこの本には取り上げられている。時代のうねりの中で、結局は時の政府に音楽が利用され消耗してゆく姿が描かれていて、400ページ近いが引き込まれて読んだ。
著者は音楽誌などの編集・発行に長く携わった人で、多くの史料に当たり1冊の本にまとめる編集力には頭が下がる思いだ。全体に、記録文学というよりは、「史実に基づく小説」として読んだ方が良いように感じた。
帯を見ただけでクラッシック音楽が好きな人ならおよその内容が想像できるかもしれない。わたしはと言えば、クラッシック音楽には疎いのだが、第二次大戦前後のヨーロッパで音楽家達がどのような行動を取ったのかは興味深いところ。独裁者の恐怖政治の中でミュージシャンはどんな行動を取るべきなのか、重い選択が演奏家や指揮者に迫られた、そんな時代。時の政府に加担した者、あるいは演奏そのものを拒否してパルチザンに加わった者。様々な演奏家あるいは指揮者100人ほどがこの本には取り上げられている。時代のうねりの中で、結局は時の政府に音楽が利用され消耗してゆく姿が描かれていて、400ページ近いが引き込まれて読んだ。
著者は音楽誌などの編集・発行に長く携わった人で、多くの史料に当たり1冊の本にまとめる編集力には頭が下がる思いだ。全体に、記録文学というよりは、「史実に基づく小説」として読んだ方が良いように感じた。