先月亡くなった真継伸彦氏の小説『無明』(1970年河出書房刊)を図書館から借りてきて読んだ。応仁の乱後の混乱の中、若い僧心源の苦悶と、そこから生ずる実存的問いを投げかける物語。
「・・・一切の情念を切りつくし、無情に徹してはじめて、私は無明の束縛を突破し、真の私、明なる無明に成りうるのではないか。」(p136)
すでに半世紀近く前の小説で、現在の歴史認識と少しズレがある、と思われる記述もあるが、小説としては良い作品と思った。代表作といわれ第2回(1963年) 文藝賞受賞作である『鮫』も読んでみたくなった。
「・・・一切の情念を切りつくし、無情に徹してはじめて、私は無明の束縛を突破し、真の私、明なる無明に成りうるのではないか。」(p136)
すでに半世紀近く前の小説で、現在の歴史認識と少しズレがある、と思われる記述もあるが、小説としては良い作品と思った。代表作といわれ第2回(1963年) 文藝賞受賞作である『鮫』も読んでみたくなった。