文化逍遥。

良質な文化の紹介。

『9人のギタリスト』ジャス・オブレヒト著、飯野友幸訳(2016年リットーミュージック刊)

2017年12月06日 | 本と雑誌
 さすがに、これは買いました。原題は『Early Blues-The first stars of blues guitar』。自分なりに訳してみると「初期のブルース(録音最初期のブルースギターのスター達)」というほどになるだろうか。



 邦題は、『ロバート・ジョンソンより前にブルース・ギターを物にした9人のギタリスト』となっているが、原題とあまりに意味合いが離れていて、正直困惑している。だいたい、本の中にロバート・ジョンソンのことなどほとんど出てこない。時期的な目安にはなるが、誤解もまねきやすいだろう。おそらく、ロックファンをターゲットにした販売戦略なのだろうが、仮にわたしが著者だったらこんな訳の題はけっして認めない。
 まあ、それは置くとして、内容は非常に詳細で時系列にそった記述はわかりやすい。この本の主役たちは、すでにこのブログでもほとんど紹介済みだが(わたしの「レコード棚」参照)、この本を読んで新たに知ったことも多かった。
 かなり、マニアックな本だが、ブルース、あるいはその歴史に興味のある人にはお奨めな良書、と言える。

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