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加曾利貝塚出土の石剣など

2019年02月12日 | 考古・エッセイ
 千葉市の加曾利貝塚は、2017年に国の特別史跡に指定されてから発掘調査が再開され、新たな出土品が発見されている。現在、昨年(2018年度)の出土品の一部が、我が家から歩いて10分ほどのところにある生涯教育センター(千葉市中央図書館)に展示されている。ちなみに、ここはJRの千葉駅から歩いても7~8分で行ける。


 ガラス越しに携帯で撮ったので、反射があって見にくいが御容赦願いたい。






 「石剣」となっているが、見たところ「石剣」というよりは「石棒」に近く「男性器」のようにも見える。長さは、30~35センチくらいだろうか。いずれにしろ、祭祀の際にシャーマンが使った神聖な祭器だろう。しかし、昔の人はどうやって石をこのように綺麗に削り出したのだろうか。おそらく、現代人からは想像も出来ないほどの時間をかけて他の硬い石と擦り合わせたのだろう。あるいは、研磨剤に出来る砂などがあって、それを使って削り磨き上げたのかもしれない。その作業こそが神聖なものだった可能性もある。


 こちらは、土製の耳飾り。大きさは、直径3~4センチくらいか。なかなかにオシャレなものだ。地中に数千年の間眠っていたとは思えないほどの状態。

 加曾利貝塚全体で、まだ7%ほどしか発掘調査は終わっていないという。千葉市だけでも100カ所あるという貝塚の調査はほぼ手つかずな状態なのだ。いつも思うことだが、しっかり調査して遺跡の重要性を後世に伝え、縄文期の文化が豊かで流通なども進んでいたことを知らしめられると良いと感じた。

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