文化逍遥。

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セイラ・アレン・ベントン著『高機能アルコール依存症を理解する』2018年星和書店刊

2019年02月16日 | 本と雑誌
 最近、図書館から借りて読んだ本の中から1冊。



 この本のテーマである「高機能アルコール依存症(The High-Functioning Alcoholic)」とは、要するに、仕事や学業などは人並みかそれ以上だが日常的にアルコールが手放せない状態、を言っている。日常会話で、「あいつは酒にだらしないが、仕事はちゃんとしているようなので、まあいいだろう」、といったことはよく耳にする。が、その時にはすでに深刻なアルコール依存状態で、早急に治療が必要なレベルなのだという。
 判断基準のひとつとしては、「飲酒による記憶の欠落(ブラックアウト)」があることだという。飲んだ後どうやって家に帰ったか憶えていない、そんな経験をした人は少なくないだろう。その時には、すでに依存症になっていると考える必要があるというのだ。

 わたしの父もアルコール依存で、家族を混乱に陥れたあげく、53歳で亡くなっている。アルコールに限らず、全ての依存症はやがて周囲を巻き込み、時に他者を傷つける深刻な病だ。「酒の上の事だから」といった甘えは、けっして許されるべきことではない。

 飲み始めたら止まらない、など、飲酒量が自分でコントロール出来なくなってる人、あるいは本人以外でも家族の中に酒癖の悪い飲酒者がいる人には参考になる本だと思った。

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