最近、図書館から借りて読んだ本の中から一冊。
小杉健治著『灰の男』。初版発行は講談社から2001年ということで、上の画像はネットから拝借したもの。私が読んだのは例によって読むのが楽な大活字本で、字が大きい分ページ数も増えるので4分冊になっている。
小杉健治という作家の作品は、今回初めて読んだ。わたしより一回り年長で、戦後すぐの生まれという。この小説は、1945年3月10日の東京大空襲を題材にした労作で、おそらくこれが作者のライフワークと思われる。戦火に翻弄され、戦前戦後を通してトラウマを抱えながら生きる下町の人々を描いたミステリーの要素を含む小説で、プロットに少し無理があるようにも感じたが、引き込まれてしまった。東京の下町が主な舞台となるが、私は若い頃たまたま東京都江東区にあった電器店に勤務していたことがあり、配達や営業で東京の下町を回っていたのだった。その頃すでに戦後30年ほど経っていたが、空襲を逃れた建物が随所に残っていた。そんな街々をを回った経験が、この作品に描かれている情景と重なって見え、真に迫るように感じた。描写力にすぐれ、後世に伝えていきたい作品。
小杉健治著『灰の男』。初版発行は講談社から2001年ということで、上の画像はネットから拝借したもの。私が読んだのは例によって読むのが楽な大活字本で、字が大きい分ページ数も増えるので4分冊になっている。
小杉健治という作家の作品は、今回初めて読んだ。わたしより一回り年長で、戦後すぐの生まれという。この小説は、1945年3月10日の東京大空襲を題材にした労作で、おそらくこれが作者のライフワークと思われる。戦火に翻弄され、戦前戦後を通してトラウマを抱えながら生きる下町の人々を描いたミステリーの要素を含む小説で、プロットに少し無理があるようにも感じたが、引き込まれてしまった。東京の下町が主な舞台となるが、私は若い頃たまたま東京都江東区にあった電器店に勤務していたことがあり、配達や営業で東京の下町を回っていたのだった。その頃すでに戦後30年ほど経っていたが、空襲を逃れた建物が随所に残っていた。そんな街々をを回った経験が、この作品に描かれている情景と重なって見え、真に迫るように感じた。描写力にすぐれ、後世に伝えていきたい作品。