文化逍遥。

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2021年ドイツ映画『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』

2023年08月22日 | ライブ
 8/16(木)千葉劇場にて。原題は「Schachnovelle」。直訳すると「チェスの短編小説」といったところで、原作と同名と思われる。監督フィリップ・シュテルツェル、出演オリバー・マスッチ他。

 以前から疑問に思っていたことがある。それは、なぜドイツ軍はオーストリアをごく短期間に侵略できたのか、ということだった。いかに装備に優れた軍隊を電撃的に進行させても、そう簡単に防衛ラインを突破出来るとは考えにくい。その疑問が、この映画を観て少し理解できたように感じた。要は、当時のオーストリア上流階級に対する大衆の不満や憎しみを、ドイツ軍は巧みに利用したのだ。まあ、その他にも複合的な要因があったに違いないが、第二次世界大戦初期のヨーロッパの状況を理解する一助になる佳作と感じた。



以下、千葉劇場の案内より引用。

『オーストリアの作家シュテファン・ツバイクが1942年に発表し、命をかけてナチスに抗議した書として世界的ベストセラーとなった小説「チェスの話」を映画化。ヨーゼフは久々に再会した妻とともに、ロッテルダム港からアメリカへと向かう豪華客船に乗る。かつてウィーンで公証人の仕事をしていた彼は、オーストリアを併合したナチスドイツに貴族の資産の預金番号を教えるよう迫られるも拒絶し、ホテルに監禁された過去があった。豪華客船ではチェス大会が開かれ、世界王者が乗客全員を相手に戦っていた。世界王者と船のオーナーの対戦の際、オーナーにアドバイスして引き分けに持ち込んだヨーゼフは、自ら王者と一騎打ちをすることになる。ヨーゼフのチェスの強さには、ある悲しい理由があった。』

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