King Diary

秩父で今日も季節を感じながら珈琲豆を焼いている

『スクラップアンドビルド』と『紙の月』

2016年12月20日 18時55分24秒 | 映画
『スクラップアンドビルド』はNHKのドラマで録画して
みました。

そのちょっと前に『紙の月』も録画してありみたのですが、
この文芸作品の映画化はとても対比的に感じたのです。

前の方が原作より良くできたドラマになっていたのに対して
後の紙の月は原作と違うところがすごく違和感をもって
とてもつまらない下手なエロ映画でそれも失敗作でどこに
魅力があるのかというひどい出来でに感じました。

というのもこの紙の月は劇場で予告編で見てその主演に
宮沢りえという女優にこの主人公がかい離しているところに
なぜかエロシーンを多く入れて何の狙いなのかもともとの主題を
解らなくしてしまいました。

私はこの映画監督の話をテレビや映画で聞いており、それで
かなり期待した部分もありましたが、それがこれだったのかという
がっかり感はより強くなりました。

紙の月だから壊していいんだという言い訳を残してお局の小林聡美
の前から逃げていくシーンが監督のいうこのシーンを考えて撮りたかった
ものなのでしょうが、色仕掛けで預金を取ろうとしたり原作にないような
シーンにこれは宮沢りえだから変な浴と違う映画に変えた原因がある
ようで、原作でタイに逃げてからさらに若い男と食事してさらに逃げる
シーンこそ作るべきラストだったのに非常にがっかりのラストでした。

原作を読み違うシーンを入れるのは文学と映像表現では手法上しかた
のないことですが、選ぶ役者や色々な制約があるにしても原作を読んだ
人をがっかりさせるのはいかがなものか。

その点、スクラップアンドビルドの方はドラマの方が解りやすく原作
よりいいくらいでした。
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『ネブラスカふたつの心をつなぐ旅』鑑賞

2016年12月20日 18時36分32秒 | 映画


映画というのは主に追いかけっこでありその主要スタイルとしてロードムービーと
いうのがあります。

アクション映画には必ず主人公が逃げて悪者が追いかけるという
シーンがあります。

その移動というところに映画ならでわの話の展開があるわけで
ロードムービーというのはまさにその特性を最大限に使った
旅物語なのです。

私の大好きなスタイルであり、スーパーヒーローや謎や絶対的正義もない
強さや豊かさなども微塵も感じない原寸大のアメリカを描かれているの
いいなと思います。

アメリカも地方は貧しくろくな職もなく、親戚には刑務所に入った
のもいるというその親戚が集まる席で話されるのは車の種類であったり
過去の恋バナであったり過去の残骸と年老いたかつての仲間たちの
成れの果てなのです。

それもそれが息子が親の過ごした過去を知ることになり、過去の事業の失敗
や共同経営者との過去や返してもらえないコンプレッサーなど親のろくでも
ない失敗の数々や母親と争ったという女性に会ったり、アメリカの地方では
やはり若者の生きる目的が女性と車であったことが日本のかつての自分たち
の若い時代をまた思い出すような展開です。

老いと地方の貧しさとこの映画が白黒でずっと描かれていることとすごく
リアルに人の思いというものを感じさせるのです。

最初はこの老人の願いをただのくだらない老人の妄信として取り合わなかった
息子も最後はその夢をかなえてやるところに人の思いとか幸福とかじつにじわっと
心にしみる味のある映画となっていました。



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