ケニアとマンデリンどちらも深煎りにて提供されている豆です。
ところが、ケニアにおいて昨今の出来の豆で深煎りが効く豆が
少なく、ケニアを深煎りで出している豆屋の真意を問いたいという
現状において消費者はぜひ店頭ではなぜこの豆はフルシティで焼きましたかと
聞いてみてください。
私自身、プロを標榜する人たちから豆を求められ、焼き方は何ですかと
聞かれますが、それは何のために聞いてるのかと私には響きます。
というのも試飲でもともと手元にカップがあるのに飲んでどう感じたのか
ということを語る前になぜ焼き方が必要なのかと。
豆屋の店頭で焼き豆を見てみると大概の店が同じ豆色でわざわざ焼き方を
示しているスペシャルティ専門店がほとんどです。
これは実に妙なことでさらに、フレンチとかヨーロビアンとかイタリアン
なる豆がある店は黒光りした豆が別にあるというなんとも謎めいた品揃え
となっていたりします。
豆の説明には聞いたことのないような何とかステーションとか農園とか
ウオシュドとか製法まで書かれていますが、味の説明や特徴はなく何点
とかいうスペシャルティ度が書かれていたりします。
それらは何も消費者には選択の材料や心に響くものがないばかりか
おしゃれな装飾でしかないのです。
気の利いた豆屋だと一言インプレッションがあったりしますが、決して
それ以上深入りして聞くなという御断りにも見えるから不思議です。
マンデリンという豆は独特の製法ゆえに色がオリーブ色でしっとりとして
いて重いことが多く、回転のいい店なら大体その重くかたい豆を深く焼いて
深い味わいと苦みが特徴とか言いつつ売ります。
このマンデリンも新豆から半年もするとそのかたさが取れ、それを
そのまま今まで通り深入りで焼くと枯れ臭のあるものになったりします。
もともとインドネシアに渡った豆もティビカであり、インドネシアで
生き残った豆のアラビカはほとんどティビカです。
ブルーマウンテンとかゲイシャは深煎りにしないくせにマンデリンは
深煎りにする理由とは何でしょうか。
また、浅煎りのマンデリンを売りにしてはやった店がありましたが、
その店に並んだ人たちはなぜ浅煎りにしてるんですかと聞かないので
しょうか。
当店にブラジルのアマレロが好きな人がいて、なぜその豆がよいかと
聞いたところ、ブラジルというとチョコ味のような濃い味が良いけれど
普段何杯も飲む私にとってはこの軽い感じがとても良いとおっしゃって
いました。
今年の春売り出したチェリーブロッサムはとても気に入り、春だけでなく
ずっと売ってくれとのことでした。