どこの雑貨屋でも普通に目にするこのカップ。初めて見た時にどきゅんとやられて買おうと
しました。しかし、問題はその値段です。1600円となっていて消費税入れると1760円と少しためらいました。でもそのフォルムが妙に心を揺さぶり、普通このホーロウのマグカップというと寸胴でぶこつな
変わらないデザインでそれは昔、バックパックを背負い世界を放浪する夢を抱いた時の必須のアイテムです。
実際にはそんな旅もできるはずもなく、放浪も冒険もなく普通の勤め人となり、旅行もせいぜい有給で
二泊くらいの旅が精いっぱいという感じでした。
そんな青春の象徴のようなマグカップにはさまざまな思い出があり、昔街にいくらもあった陶器屋の安売りコーナーにいつもあるものでした。それが今おしゃれな雑貨としてこのデザインで売られているのかとつい見とれ、手にしたのです。昔は一万円の伊万里のカップを買うかどうか悩んだものでしたが、今では
たった1700円のカップも高いと躊躇してしまいます。ところがネットで見ると安いのは600円台で売られているのを発見して上記の色のものを1000円でゲットしてしまいました。そんな買い物もの取り戻した日常の一コマです。
久しぶりに映画館で見た007で畳の上で対峙するシーンとQの自宅に押し掛けるとQが帆布の前掛けをして料理をしているというシーンがあり、先日新聞にそれらが日本製の製品であることが解りました。畳は日本の畳屋がネットを通じて注文を受けロンドンに納品したとか。本物の日本の井草を使ったもので、井草を使うことにこだわったのは注文主だそうです。昔酒屋のおじさんがしていた前掛けもおしゃれ用品として使われているというのも新鮮でした。うちにもどこかに探せばあるかも。
再び台風が接近して一時の冷え込みも和らいで本当に秋らしい日になったこの頃。
こんなありふれた話題やモノに触れて生活するという当たり前のことがなんだかやっと取り戻しつつあることに感じるなんてという現在です。一般の人にも知られるようになった珈琲の危機も地球温暖化とは日常の庶民の喜びであるコーヒータイムさえも奪っていくのかという勢いです。マスコミによりもたらされるニュースによると各国はよいよ脱炭素社会を前倒しして実施というニュースを流しますが、実際には過去最高の排出が今年もなされ収まるどころか拡大していて、さらに先進国が今排出をゼロにしたところで
元に戻る保証もないのです。
そんな折に地球環境のためと実施されるレジ袋削減とかプラスチック製品制限とか実施されましたが、それが有効かどうかなんて気にもされていません。つまり今やっていることは何の有効性もないことなのです。さらに今衆議院選挙で各党首が掲げる政策もちっとも明るい未来を示しているわけではなく、ただの風呂敷の広げ合いで自分たちの愚かさを発表しているのにすぎません。
そんな絶望的思いを抱いてみているのがアマゾンのビデオですが、今見ているのはやっと解禁になったゲームオブスローンズの最終シーズンとFear the walking deadです。思えば本家のWalking deadもゲームオブスローンズも長い付き合いで、もうどんなストーリーだったかも定かでない部分もあるものの自由時間はこれらの物語で楽しんできたのでした。Fear…を見始めたきっかけはアマゾンにシーズン6という名前で出ていて何のシーズンシックスか知らずに見始めました。というのもその索引画面に出ているのがモーガンの顔だったからです。なんでモーガンが主役なのという感じで見始めたらなんかいくらか本家のものより救いがありそうな内容だったのです。このシリーズは死者がゾンビとして生き返り人々を襲うという未知のウィルスによる文明が滅びた後の世界です。
物語はその死者との戦いというより生き抜いたコミュニティの人と人が物資や土地を巡って殺し合うというギャング映画のような展開になっており、本家のニッククライムズもシーズン9でいなくなるという主要メンバーも移り変わり何か核のないものになってしまいました。それに最終10シーズンの終わりは突然今までの弓矢と斧で戦っていた人が近代装備の部隊に囲まれて終るという変わりようでした。Fear…では有料チャンネルの一話目無料で見たのか遥か昔見た記憶があり、それもまだゾンビが出てこない家族の物語のような薬中と家族の話のような展開でぐだぐだでその家族関係も複雑なものでゾンビはほとんど出てこない今の社会から始まるのです。そんな感じだったので続けてみようとならなかったのかほっぽってあったシリーズです。ですが、モーガンの顔からシーズン6を見てしまったので続きをさかのぼってシーズン1から見始めることにしました。するとずっとこのシリーズに気になっていた感染という事に最初は気を使っていたのか軍がゾンビの返り血を浴びたから隔離するというシーンがあり、ずっと気になっていた噛まれさえしなければ感染しないという設定に疑問を持っていたのですが、最初はいくらか感染という事に気を使っていたんだと知れました。しかし、ゾンビの血を体中に塗ってゾンビの群れに紛れ込んだりというシーンが出てきて噛まれさえしなければ感染しない設定になっています。それでも看護師のジューンが出てくるシーズン4辺りで体液に触れるだけで危険というセリフがあるので一応トンデモ設定になっていることに自覚があるようです。最初はトラビス、ニック、ルシアナ、マディソンとトラビスの子の家族が中心で物語が進みます。一番特長があるのは本家と違い、現実社会から徐々に日常が失われる過程を描いていることやロサンゼルスからメキシコ、テキサスと具体的地名が出てくるという違いがあります。ただ、現実に感染初期に軍によるロックダウンや地域封鎖をしているのになぜか軍は全滅、政府組織すらなくなるという設定はあまりに軍が弱すぎるし、完ぺきな隔離地域や人のいない地域というのがある以上生き延びる人はいるだろうし、感染する病気な以上自然免疫なり感染しない人もいるはずです。それが噛まれたら100%感染という設定は納得いきません。軍もあまりに弱すぎるのです。
ただし、シーズン5で出てくるヘリの人や本家の最後のシーンにつながる感じもあり、やはり生き残った政府筋や組織が出てくるものと思われます。ただ、見ているとこの間の首都地震のあと変電所の火災や噴火や台風とまさに現代はこのウォーキングデッドの世界に似たものになっていると感じるのでした。
最初はトラビス、マディスンと家族の逃走劇なのですが、暴徒化した市民から逃れるために入り込んだ床屋の主人がずっとシリーズを通して出てきたり、詐欺師のトラビスも裏切りと策略でずっとこの家族にかかわっていきます。まず、ニックと刑務所にいるトラビスが出会い、その素質を見抜いたトラビスにより自身が用意している船での逃亡とメキシコという国外逃亡という新しい要素があります。しかし、メキシコも死者がよみがえる同じ状況で用意した理想郷も暴力のせめぎ合いの末破壊されます。このように次次に現れる安住の地の候補は結局さらに強い略奪者によって奪われるか破壊されるか死者の群れに飲まれるかという連続です。ざっというとロサンゼルスから船で逃げる途中に島に寄りますが、そこでも流れ着いたゾンビに襲われ、船は海賊行為のグループに襲われしながらもメキシコバハに到着。メキシコでは砂漠地帯で水が争点となり、国境付近で米の牧場主のグループに誘われるもそこは先住民の祖先の地だというので公権力や政府がなくなった今それを取り戻そうとするウォーカーの一味にオットー、トロイ、ジェイク親子の牧場主の争いに巻き込まれ、それまで主役級のトラビスが移動中のヘリで狙撃されて死亡してしまいます。シーズン3のできごとでこの辺りで次々に主要人物に死が訪れます。バハから逃れるときにグループはバラバラになり途中に海辺のホテルよりそこを一時は砦化して発電機も氷も食料も畑もある要塞としますが、ここにくわわったトラビスの行動によりまた集まりかけた家族がバラバラと移動していきます。
このホテルにたどり着いたのはトラビスとマディスンとアリシアと床屋のダニエルサラザールの娘オフェリア。オフェリアはホテルに到着後ゾンビに襲われホテルを脱出して国境付近でウォーカーの一味に保護されます。別に逃げた息子と逃げたトラビスは途中に息子と別れ息子が加わった若者のグループとホテルにたどり着きます。しかし、ホテルにたどり着いたのはグループのふたりだけで息子がどうなったか激しく問い詰めて若者たちにより殺されたことを聞き出すと二人とも殺してしまいます。この行為がマディスンが決めたルールに抵触し、家族は安全なホテルから放出されてしまいます。そして国境付近で牧場グループにつかまり加わるように言われその途中にトラビスは死んでしまうのです。ニックは死者とともに歩くうちに信仰で集まるグループに保護されここでルシアナと知り合います。ここの薬を巡りメキシコのギャンググループと対立し水がもとでこの集団も瓦解してルシアナとニックは牧場の保護になるのです。その牧場も水源の泉が枯れてマディスンの活躍などで先住民のグループと合意合体することになったものの水が枯れゾンビの大群が押し寄せ水を求めてウォーカーとマディスンがダムを支配するグループと交渉している中市場でビクターストランドと再会してダムに向かうとダムではここにたどり着いた床屋のダニエルサラザールによりダム支配者が滅ぼされ床屋が実権を握ることになっていてダニエルと娘に合わせると約束してそこで水を手に入れるも牧場は崩壊ダムに向かうもダム支配者の娘は居残りでゾンビに襲われゾンビ化しアリシアだけが生き残りオフェリアが死んだことでダニエルは高強化し、襲ってきた市場のギャングとの抗争の末ダムは崩壊一時家族はちりじりに流され別々となってしまいます。それをマディソンがまたグループを作りスタジアムに砦を築きコロニーを作ります。それまで母の周りを顧みない家族ファーストのやり方に愛想をつかしたニックとアリシアもこのスタジアムに住むことになります。このスタジアムにたどり着く話やスタジアムがまた旗のグループに狙われ崩壊する話は物語が行ったり来たりしながら語られたので主流のストーリーが不確かになり、結果今まで中心だったマディソンも最期を迎え、ニックも旗のグループの娘チャーリーに殺されます。ここで新規まき直しが必要となり、場所もテキサスに移りSWATの装甲車に乗るジャーナリストのアルを媒介者としてシーズン4でモーガンがでてきます。モーガンを助けるガンマンにジョンとジョンが助けた女性がスタジアムにもいた看護師のジェーンでナオミとかローズとか名前をその時その時の呼ばれ方をしていましたが、段々主要登場人物としての地位が確立したのかジョンの恋人として主流の登場人物となります。メキシコや牧場では物資や水に苦労してさまようか立てこもるかして苦労していましたが、テキサスで嵐にあっていこう豊富な物資を配って助け合うグループに出会いテキサス以降金持ちの豪邸の後に住み着いていたルシアナ、ビクターとアリシア、旗のグループの生き残りチャーリーとジョンとジェーンでバージニアを目指すことになります。これはモーガンがアレクサンドリアに戻ってやり直そうと決めたからで彼が登場する際は本家のニッククライムズやキャロルといった主要人物までゲスト出演しています。それだけマディスンからモーガンへの引継ぎは重要な変革となったわけです。物資を配るグループの車いすの男と背の高い女サラとビールつくりの男ジムとかかわりシリーズ中一番の都会でばらばらだった人々が集まり結果モーガンはアレクサンドリアに行くのでなく物資を配るグループを率いていくことになります。シーズン5では本家からドワイトもやってきます。テキサス以降今までは略奪者と立てこもるコロニーの対立的な物語でしたが善人もしくは人としてより良く生きようと決意してそのために力を尽くすグループに結実していく様は本家の壮絶なグループ対立の物語正解な感じがします。
前回書いた清志郎の木枯しの歌が見つからないという件ですが、私の勘違いで題名が木枯しでなく北風であっさりとみつかりました。これも取り戻した元の生活のひとつです。コロナ感染者が激減していくなか各地でイベントの再開や飲み屋の再開が伝えられていますが、温暖化とコロナとゾンビの世界と似ていくように感じながらあまりトンデモ話でもなく人間の社会もやがて文明が崩壊し、もしくは人間より賢くなった人工知能により支配されていたりと思えてくるのでした。まだしばらく珈琲のなくなることはないのかもしれませんがなくならない保証もないように感じます。取り戻したものもあるもののこの先さらになくなる不安も募るこの頃です。