金木犀、薔薇、白木蓮

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映画:『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』

2018-05-10 21:42:51 | 映画の感想
2018年の映画⑪:『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』(クレイグ・ギレスピー 監督)
★★★★☆

【シネマトゥデイの内容紹介】

貧しい家庭に生まれ、
厳格な母親ラヴォナ(アリソン・ジャネイ)に育てられた
トーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)。
フィギュアスケートの才能に恵まれた彼女は、
血のにじむような努力を重ねて、
アメリカ代表選手として1992年のアルベールビル、
1994年のリレハンメルオリンピックに出場する。
ところが、元夫のジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の友人が
トーニャのライバルだったナンシー・ケリガンを襲い、
その後彼女はフィギュア界から追放されるが……。

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映画館にて。

この襲撃事件についての記憶は全然ないんだけど、
当時のバッシングを知っている人なら
より感慨深く見られるかも。

登場人物の大半が、本当に愚かでつらい。
ショーンの中二病めいたバカっぷりは笑えるほどだったし、
トーニャを虐待していた母親ときたら、
最後の最後まですがすがしいほどにクズ!
実はちゃんと母親らしいところもあるじゃん……と
思わせてのあの展開、見事であった。

トーニャはそこまでひどくはない気がするし、
なんだかんだでDV男と別れられないのも、
他を知らないという環境のせいじゃないかと思うんだけど。
貧しくて下品な親の元で生まれ育つと、
やっぱりどうしても自分もそうなってしまい、
それ相応の相手とつっつくことになり、
また相応の子どもが育つ……
という負の連鎖について考えさせられる。
経済的な面だけじゃなくて
生活文化の面において歴然とした差がついてしまうので、
ものすごい才能があったとしても
その連鎖から抜け出すのは至難のわざなんだよね……。
せめてあそこまで男運が悪くなければ
彼女の人生もちがっていただろうに。

「面白い」とか「楽しい」という映画ではないけれど
不思議と惹かれるものがあって、よかった。
コメント
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