今月の建築講座で京都市立洛陽工業高校へ訪れてきた。
京都市立洛陽工業高校は明治19年創立の日本で最古の公立工業高校で、現在の校舎は昭和10年建築のもの。
移転のため取り壊し予定のこの校舎は今回で最後の見納めだそう。
特徴的な玄関の車寄せ。
柱頭が広がった太い二本の円柱が屋根を支えるフラットスラブという珍しい構造だそう。
竜山石が使われているという柱
玄関を入ると、腰壁には細長いタイルが貼られ、美しい色合いを放っていた。
階段周りにも同じタイルがあしらわれている。
階段親柱にも
玄関ホールの照明
校長室には奉安殿が備えられている
鉄筋コンクリート造の奉安殿のため、換気のための通り道がつけられているとか。
真ん中の奉安殿の脇の人造石仕上げの飾り台、さらにその横の木製の家具も一体となって造られている。
そして、三階の講堂へ。
天井はコンクリート打ち放しの造り
コンクリートは緩やかにカーブを描く。
舞台横の縦に三つ並んだ窓はモダンデザインの特徴だそう。
屋上から校舎を見たところ。
2階の少し飛び出た部分は元建築科の製図室で、ガラスの連窓で出窓になっている。
3階の講堂横の三連窓も見える。
屋上には寒い京都の学校ならではボイラーの煙突
ダストシュート跡
地下室へも
クラブの部室として使われていた地下室
アールを描くトイレの壁面
最後に記念室へ。
巨大な機織り機など機械類の展示が見れた。
取り壊し直前の見学会、玄関、階段周りのあのきれいなタイルを剝ぎ取って持って帰りたい衝動に駆られたのだった;