蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

お風呂  (bon)

2013-01-14 | 日々雑感、散策、旅行

今日、1月14日(月:成人の日)は、生憎全国的に雨模様とか・・。
関東では、朝からみぞれ交じりの寒い雪空です。 

新成人の門出に相応しくないお天気ですが、まぁ、そんなことは吹き飛ばしてほしいですね。


昨日の読売日曜版に、「西洋の風呂は事務的だ。日本の風呂は享楽的だ。」の見出しと共に、
法隆寺五重塔が夕日に沈む・・奈良斑鳩の里の大きな写真がありました。

(ネット:法隆寺の夕暮れから借用)

 <日曜版記事から・・>

 「たっぷりと湯船を満たす湯に、首までつかる。手先、足先がジンとぬくもり、ぼうっとする。
いまの季節ならなおのこと、至福の時間と思えるのだが、よその国にはさほど風呂を楽しまない人々もいるらしい。」

「大正時代半ばの1918年、若き和辻哲郎は奈良を訪ねた。仏教美術を巡り、日本文化の特質を考える旅だった。
宿は奈良中心の奈良ホテル。当時は鉄道院が経営し、内外の賓客を迎えた名門で、内装は全くの西洋式だった。 
浴室もまたしかり。
今一つゆったりできなかった和辻は“西洋人はただ体の垢を洗い落としさえすればいいので、
いわば便所と同様の意味をしか認めないらしい” “日本人は風呂で用事を足すのではない。
楽しむのである”と力説している。」 

「和辻の旅は斑鳩へ、そして中宮寺の本尊へ行き着く。
“我が国のやさしい自然”を、“人間の姿に現せばあの観音となるほかはない”いうなれば風呂ならぬ
“風土”にしっかりつかり、得心するのである。」


その昔、難しいけれど我慢して読んだ「風土」(和辻哲郎著 1989.12 第18刷 岩波書店 ¥460)を
懐かしく手元に探してみました。
風土というのは、単なる自然環境ではなく、人間の精神構造の中に刻み込まれた、いわば一体となった全体のことなんですね。
だからそこに文化、生活様式などが生まれる・・・そんな理解でいるのでした。

こんな思いを再び巡らせながら、今夜はゆっくりと湯船につかってみよう・・。













コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする