昨日の朝刊に「ビール、第3時代」という見出しで、大手4社の戦略が紹介されていた。
一昨年には、各社とも利益率の高いビールの販売促進を掲げていたが、消費増税の見通しが
はっきりとし節約ムードが強まる・・ということで、再び“第3のビール”に軸足を戻す。
アサヒは“クリアアサヒ”、サントリーは“グランドライ”、キリンは“濃い味デラックス”、
サッポロは“麦とホップ”・・新たな味が続々と送り出される~。
今年第一号の会報に、昨年9月に講演されたアサヒビール相談役池田弘一氏の抄録が掲載されていた。
演題は「アサヒビールの経営戦略と道州制」というものであった。
道州制とどのように関連するのか? 興味もありここでほんの抜き読みですが紹介しておきます。
アサヒビールの歴史から・・「1889(明治22年)、大阪の財界人によって設立された大阪麦酒会社が
アサヒビールの前身です。今年で創立123年です。
・・その後1906年に日本麦酒、札幌麦酒と三社合同により大日本麦酒となりました。
戦後1949年に、これが西日本主体の朝日麦酒(後のアサヒビール)と
東日本主体の日本麦酒(後のサッポロビール)に分割されました。」(中略)
「1986年に就任した樋口(第6代)社長の下に、翌年“スーパードライ“を発売し、
これが起死回生の大ヒットとなりました。当初の販売目標の13倍以上を達成し、
日経ヒット商品番付の東の横綱に選ばれました。」
「販売の急増は、生産設備の急増を意味し、在任6年間で6000億円近い設備投資を行いました。
ハーバードで講演した際、あまりの積極投資ぶりを“クレイジー”だと驚かれたそうですが、
“チャンスは貯金できない!”といったそうです。」(中略)
「2002年、私(筆者)が9代目の社長に就任した時にはまだ相当の借金が残っており、
財務体質が弱い状況でした。
・・そして、スーパードライ一本を売っていればよいという時代は終わろうとしていました。
そこで私は“連結とグローバル”戦略を目標に掲げました。」(中略)
<ここからが道州制に入る部分です。>
「社長となって日本全国をあいさつ回りしていた時、地方都市から活気が失われていることに大変驚きました。
“日本経済に元気がない”と言われて久しいですが、“地方こそ元気がない”と思いました。
地域活性化に役立ちたいと考えた私は、経済同友会でも、経団連でも地方行財政の委員会に所属しました。
現場主義を掲げる私は、“東京の常識は地方の非常識”と肝に銘じ、実際に地方行政にかかわる方々に
直接お話を伺いました。」(中略)
<ここで興味ある表が提示されています。>
「つまり、各道州の人口や経済規模はヨーロッパの小国に匹敵する。
我々の考える道州制とは、各道州に確かな財政基盤と大きな権限を与え、ヨーロッパのように
生活の質や経済力や文化を競い合わせるイメージです。」(中略)
「県を道州に変えるだけ、市町村合併と一緒とよく言われますが、全く違います。
私が考える道州制は、“補完性の原理”と“基礎自治体優先の原則”です。
・・①個人で解決できることは個人で、②個人で解決できない時は住民に身近な基礎自治体で、
③基礎自治体で解決できない時は広域自治体で、④最後は国で という原理です。」
氏は九州のご出身で、「・・しかし、インフラ整備があまりに貧弱です。
新幹線は博多―鹿児島しか繋がっていません。九州縦貫自動車道と九州横断自動車道は整備されたものの
不十分です。・・道路とは逆に、空港や港や大学は九州に過剰にあります。空港は10か所もあります。
港は各県に2~3あります。大学は各県に国立、県立、私立とありますが、私個人的には、
九州には国立大学は九州大学一つでいい、農学部は宮崎に、医学部は長崎にというように
各学部を各地に集中させればいいと考えています。」
「基礎自治体に出来るだけ多くの権限を付与します。どうしても基礎自治体ではできないことだけを
広域行政(道州)に残します。現在国が行っている地方行政も出来る限り広域行政に下ろし、
国は外交、国防、金融、通貨等だけに特化します。」(後略)
かなりの抜き読みで、しかも、若干記述も短縮しましたので、分かりにくかったかもしれませんが、
結局のところ(私が思うに)アサヒビールの経営戦略と道州制はあまり関係していないようですが、
氏はこの道州制について思い入れがあり発表されたのではないかと思います。
(mak)
TPP反対論でネットで有名になった中野剛志が道州制を批判:
新しい国の形
世界のビール市場あれこれ:
一人あたりのビール消費量ランキング
4大メーカーが世界の市場の50%を占有
「バドワイザー」ブランドを有するABインベブの09年のビール生産量は約3億5000万ヘクトリットルで、「ミラー」ブランドで知られるSABミラーの2億5000万ヘクトリットル弱、ハイネケンの2億ヘクトリットル強、カールスバーグの約1億2500万ヘクトリットルを大きく上回った。青島ビールは5000万ヘクトリットル強。
シェア6位は北米のモルソン・クアーズ・ブルーイング、7位がメキシコのグルッポ・モデロ、8位が中国の北京燕京ビール、9位がキリンホールディングス、10位がアサヒビール
2008年、ベルギーのインベブが、オランダ・フランスの大手金融機関から融資を受けバドワイザーで知られるアメリカのアンハイザー・ブッシュを買収・合併し、社名をアンハイザーブッシュインヘブに変更した。2012年、メキシコのグルポ・モデロ(コロナブランドは有名)の未保有株を201億ドルで取得し、完全子会社化した。
中国ビール業界:
【中証網】 ベルギーの主要経済紙の10月28日付報道によると、中国のビール市場の規模は大きく、しかも高成長ぶりを維持している。世界最大のビールメーカーであるアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)は中国での投資を一層増やしてシェアを高める計画だ。
2003年以来、中国は世界最大のビール市場となり、年間消費量は約480億リットルと、世界の25%を占める。ABインベブは中国で35のビール工場を持ち、従業員数は3.3万人。年間生産量は55.9億リットルで、中国全体の約12.3%を占める。シェアは雪花ビールと青島ビールに次ぐ3位だ。傘下のバドワイザー、Stella Artoisなどブランドが中国の高級ビール市場に占める割合は42%に上る。
専門家は、2020年までに中国ビール市場はさらに拡大し、世界ビール市場の新規増加分の40%を中国で占めると予測する。バドワイザーは中国投資を継続し、2013年末までに更に4棟のビール工場を建設し、従業員数を約1500人に増やし、中西部地域での投資を一層増やす計画だ。
ナツとカヨのマリンバで、チャルダッシュ
一昨年には、各社とも利益率の高いビールの販売促進を掲げていたが、消費増税の見通しが
はっきりとし節約ムードが強まる・・ということで、再び“第3のビール”に軸足を戻す。
アサヒは“クリアアサヒ”、サントリーは“グランドライ”、キリンは“濃い味デラックス”、
サッポロは“麦とホップ”・・新たな味が続々と送り出される~。
今年第一号の会報に、昨年9月に講演されたアサヒビール相談役池田弘一氏の抄録が掲載されていた。
演題は「アサヒビールの経営戦略と道州制」というものであった。
道州制とどのように関連するのか? 興味もありここでほんの抜き読みですが紹介しておきます。
アサヒビールの歴史から・・「1889(明治22年)、大阪の財界人によって設立された大阪麦酒会社が
アサヒビールの前身です。今年で創立123年です。
・・その後1906年に日本麦酒、札幌麦酒と三社合同により大日本麦酒となりました。
戦後1949年に、これが西日本主体の朝日麦酒(後のアサヒビール)と
東日本主体の日本麦酒(後のサッポロビール)に分割されました。」(中略)
「1986年に就任した樋口(第6代)社長の下に、翌年“スーパードライ“を発売し、
これが起死回生の大ヒットとなりました。当初の販売目標の13倍以上を達成し、
日経ヒット商品番付の東の横綱に選ばれました。」
「販売の急増は、生産設備の急増を意味し、在任6年間で6000億円近い設備投資を行いました。
ハーバードで講演した際、あまりの積極投資ぶりを“クレイジー”だと驚かれたそうですが、
“チャンスは貯金できない!”といったそうです。」(中略)
「2002年、私(筆者)が9代目の社長に就任した時にはまだ相当の借金が残っており、
財務体質が弱い状況でした。
・・そして、スーパードライ一本を売っていればよいという時代は終わろうとしていました。
そこで私は“連結とグローバル”戦略を目標に掲げました。」(中略)
<ここからが道州制に入る部分です。>
「社長となって日本全国をあいさつ回りしていた時、地方都市から活気が失われていることに大変驚きました。
“日本経済に元気がない”と言われて久しいですが、“地方こそ元気がない”と思いました。
地域活性化に役立ちたいと考えた私は、経済同友会でも、経団連でも地方行財政の委員会に所属しました。
現場主義を掲げる私は、“東京の常識は地方の非常識”と肝に銘じ、実際に地方行政にかかわる方々に
直接お話を伺いました。」(中略)
<ここで興味ある表が提示されています。>
「つまり、各道州の人口や経済規模はヨーロッパの小国に匹敵する。
我々の考える道州制とは、各道州に確かな財政基盤と大きな権限を与え、ヨーロッパのように
生活の質や経済力や文化を競い合わせるイメージです。」(中略)
「県を道州に変えるだけ、市町村合併と一緒とよく言われますが、全く違います。
私が考える道州制は、“補完性の原理”と“基礎自治体優先の原則”です。
・・①個人で解決できることは個人で、②個人で解決できない時は住民に身近な基礎自治体で、
③基礎自治体で解決できない時は広域自治体で、④最後は国で という原理です。」
氏は九州のご出身で、「・・しかし、インフラ整備があまりに貧弱です。
新幹線は博多―鹿児島しか繋がっていません。九州縦貫自動車道と九州横断自動車道は整備されたものの
不十分です。・・道路とは逆に、空港や港や大学は九州に過剰にあります。空港は10か所もあります。
港は各県に2~3あります。大学は各県に国立、県立、私立とありますが、私個人的には、
九州には国立大学は九州大学一つでいい、農学部は宮崎に、医学部は長崎にというように
各学部を各地に集中させればいいと考えています。」
「基礎自治体に出来るだけ多くの権限を付与します。どうしても基礎自治体ではできないことだけを
広域行政(道州)に残します。現在国が行っている地方行政も出来る限り広域行政に下ろし、
国は外交、国防、金融、通貨等だけに特化します。」(後略)
かなりの抜き読みで、しかも、若干記述も短縮しましたので、分かりにくかったかもしれませんが、
結局のところ(私が思うに)アサヒビールの経営戦略と道州制はあまり関係していないようですが、
氏はこの道州制について思い入れがあり発表されたのではないかと思います。
(mak)
TPP反対論でネットで有名になった中野剛志が道州制を批判:
新しい国の形
世界のビール市場あれこれ:
一人あたりのビール消費量ランキング
4大メーカーが世界の市場の50%を占有
「バドワイザー」ブランドを有するABインベブの09年のビール生産量は約3億5000万ヘクトリットルで、「ミラー」ブランドで知られるSABミラーの2億5000万ヘクトリットル弱、ハイネケンの2億ヘクトリットル強、カールスバーグの約1億2500万ヘクトリットルを大きく上回った。青島ビールは5000万ヘクトリットル強。
シェア6位は北米のモルソン・クアーズ・ブルーイング、7位がメキシコのグルッポ・モデロ、8位が中国の北京燕京ビール、9位がキリンホールディングス、10位がアサヒビール
2008年、ベルギーのインベブが、オランダ・フランスの大手金融機関から融資を受けバドワイザーで知られるアメリカのアンハイザー・ブッシュを買収・合併し、社名をアンハイザーブッシュインヘブに変更した。2012年、メキシコのグルポ・モデロ(コロナブランドは有名)の未保有株を201億ドルで取得し、完全子会社化した。
中国ビール業界:
【中証網】 ベルギーの主要経済紙の10月28日付報道によると、中国のビール市場の規模は大きく、しかも高成長ぶりを維持している。世界最大のビールメーカーであるアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)は中国での投資を一層増やしてシェアを高める計画だ。
2003年以来、中国は世界最大のビール市場となり、年間消費量は約480億リットルと、世界の25%を占める。ABインベブは中国で35のビール工場を持ち、従業員数は3.3万人。年間生産量は55.9億リットルで、中国全体の約12.3%を占める。シェアは雪花ビールと青島ビールに次ぐ3位だ。傘下のバドワイザー、Stella Artoisなどブランドが中国の高級ビール市場に占める割合は42%に上る。
専門家は、2020年までに中国ビール市場はさらに拡大し、世界ビール市場の新規増加分の40%を中国で占めると予測する。バドワイザーは中国投資を継続し、2013年末までに更に4棟のビール工場を建設し、従業員数を約1500人に増やし、中西部地域での投資を一層増やす計画だ。
ナツとカヨのマリンバで、チャルダッシュ