牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る

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機械製麹とか速醸の日本酒は「伝統的酒造り」なのでしょうか?

2024-12-10 13:46:13 | 附属酒類経済研究所




先日おめでとうございます!!!となった、日本の伝統的酒造りのユネスコ世界遺産への登録。
業界外の方とも話題になったりしているので、一応要件を確認しようとしたのですが、世界遺産登録に際してのルールは特にないようですが、それに準するものとして申請資料の中に要件が記載されているようです。





【登録の要件】
一 原料を酒造りに適した状態に前処理すること。
1 こうじにする原料の状態を見極め,手作業により水分調整すること。
2 蒸きょうを行うこと。

二 酒造りに適したバラこうじをつくること。
1 こうじにする原料は,米又は麦とすること。
2 こうじ菌は伝統的なアスペルギルス属の菌を用いること。
3 木蓋、木箱又はこれに準じた機能を有する器具を用いること。
4 こうじ菌の生育状態を見極め,手作業により製麴管理すること。

三 もろみを発酵させ,目的の酒質にすること。
1 発酵はこうじを用いた並行複発酵によること。
2 水以外の物品を添加しないこと。
3 もろみの状態を見極め,手作業により発酵管理すること。


なるほどなるほど、これが伝統的酒造りと言われると、確かにそうなりますね。
こうしたことを何百年続け、進化させてきたというのが誇るべき日本の酒造りですが、その一方で、進化の先は「伝統的酒造り」ではなくなってしまうのでしょうか。

例えば、要件一の1「こうじにする原料の状態を見極め,手作業により水分調整すること」などは、大手さんなどではデータを元に機械化されているような気もします。

また、要件の二も3も、木蓋(麹蓋)ではなくて機械製麹法を使っている蔵元さんもあるでしょうし、それはある意味進化とも言えるかも。



灘酒研究会HPより


まあ、この辺りの機会かは大きなメーカーさんが手掛けている場合が多いので「大きなメーカーさんの大量生産品は該当しない」という話になってもやむを得ない、という整理もあると思います。

その上で、解釈がまだよく判らないのが、要件三の2「水以外の物品を添加しないこと」
これ、「水以外の物品」として何が当たるのか。
速醸での乳酸添加がこれに該当するとすると、現状、速譲と生酛系の生産量比率は9:1とも言われているし、酒類総研の新酒鑑評会の入賞酒にも速醸が多数を占めているし、これらが「伝統的酒造りではない」となるとマーケティング上もややこしそう。

まあ。ウチとしては担いでいる「白鷹」は王道生酛なので都合がいいんですど、お客様的には速醸をお好みの人もいるし、自分的には速醸も「伝統的」とも思うのですが、その辺り、どうなんでしょうね。




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新川の右岸側の町名は「霊岸島」だったんですね。

2024-12-09 11:43:53 | 新川大神宮と新川




ちょっと前の休日、本屋さんに行こうと思って出かけた際に気が変わって見に行ったのはこちら。





2年位前に「開かれた図書館」として新装なった京橋図書館「本の森ちゅうおう」
建築としても話題になりましたし、図書館好きとしては気になっていたんですよね。

新川大神宮のホームページを作成した際にもお世話になった明石町の郷土資料館もここに入っていて、その地域資料室で歴史資料などを眺めていたら、、、

ホームページ作成当時もちょっと見て、欲しいな(でも高いな)と思っていた歴史的な地図集「中央区沿革図集(京橋区の部)」8000円のところ限定部数1000円でと書いてあるじゃあありませんか(9割引き!)。

テレビショッピングよりスゴイ値引き率に負けて、早速購入して帰りましたよ。





江戸後期くらいからの色々な地図が載っているのですが、戦災のがれきで埋め立てられた「新川」もちゃんと出ています。
興味深かったのは明治前期の土地の権利を記した「沽券図」で、新川界隈の土地の多くは下り酒問屋としても活躍した鹿島清兵衛や中井新右衛門が所有していたようです。





また、「新川」という町名も震災後にできたようで、しかもその時は新川の左岸側が「新川」で、右岸側は元々の島の名前「霊岸島」という町名だったんですね。

いや、面白い。
他にもネタがありそうですね。






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「日本の伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録。本丸にお寄りしてみた。

2024-12-06 18:42:37 | 酒の情報(酒エトセトラ)




夕方、界隈にいたのでお寄りしたのがこちら。





酒造組合中央会さんのビルにある、「酒の情報館」です。

ご存知の方も多いと思うのですが、昨日、「日本の伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。
先般こちらでご紹介したように登録自体は勧告が出ていたので時間の問題ではあったのですが、やはり登録実現!というのは大きな節目で、夜のニュースでもほぼ全局、しかも時間枠を取って報道されていました。


“伝統的酒造り”無形文化遺産に 酒造組合「世界に認めてもらった」(2024年12月5日)



このニュースの中で皆さんが喜んでいた場所が、この「酒の情報館」です。
(中央の小西酒造さん、右側の永山酒造さんと、ご懇意先の顔も)

それから一日、「どうなっているのかな」と寄ってみたのですが、閉館間際と言うこともあって館内は10人ほどが静かに展示を見たり、利き酒等をされていました。
無形文化遺産登録!もひっそりとディスプレイでアピール。





たまたま館長さんも来ておられたので少しお話を聞けましたが、やはり昨日はすごかった、とのこと。
(メディアの数でいうと開館以来最多では、とのこと)

これで海外向けのみならず、日本人が日本のお酒に誇りを持ってくれる弾みになれば、と言っておられました。

ちなみに上の写真の左上の枡は、急ぎ準備したという特注品。



週明け(あ、こちら土日は休み)からお酒とセットなどで頒jけるらしい。

改めまして、おめでとうございます!
我々も誇りをもって売らせて頂きます。




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ウイスキーノート、ではなく、読書ノート「ウイスキー」

2024-12-05 13:05:20 | 酒の本棚(書評?)




日経新聞土曜版「NIKKEI プラス1」。
「何でもランキング」という特集の今回テーマは「人生の友に、個性派「2冊目」手帳 」というもので、その1位がこちら。





ティータイムにつける
読書ノート ウイスキー
(ダイゴー)


ウイスキーのテイスティングノートではなくて読書ノート?
ティータイムにウイスキー?

一見、何のことか判らなかったのですが、

・まずは読んだ本の感想等を書き留めるノート(読書ノート)
・感想等を書き込む部分に、総合的な感想として、「どこまで心が満たされたかをウイスキーグラスのイラストを塗りつぶすことによって表現」
・加えて、「話の濃さ」とか「お勧め度」とかの段階評価のマーキングとしてウイスキーグラスがあしらわれている
・さらに、段階評価の一つの軸として「酔いしれ度」が設定されている

ということのようです。

せっかくなら、「スモーキーなスコッチのよう」とか「まったりとしたブレンデッド」とか「ライトなアイリッシュ」とか、ウイスキーのテイストにも言及していると面白かったのかな。

また「ティータイムにつける」という意味はこれだけでは??ですが、実はシリーズとしては「コーヒー」と「紅茶」があるようで、これらから「「ティータイムにつける」というシリーズになったのかもしれません。

え?と思ったのは、528円という価格で、紹介されている他の手帳が2,480円とか2,750円とか6,050円とかなのに比べかなり安いですね。
うまれてこのかた読書ノートと言うのは付けたことがないのですが、買ってみようかなぁ。




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大谷翔平選手の50/50記念ワインは「サンコント・サンコント」「フィフティ・フィフティ」「チンクアンタ・エ・チンクアンタ」でした。

2024-12-04 12:14:00 | 酒のご紹介



完全なるコタツ記事

ドジャース大谷翔平投手が、自身のインスタグラムで「50-50」達成記念の記念ワインを公開したそうです。

その画像がこちら。








銘柄は、

アンヌ・グロ・エ・ジャン・ポール・トロ(南仏)
ペジュ(カリフォルニア)
アヴィジョネージ(伊)


というものですが、選定基準は見ての通りラベルの50/50ということのようです。
(ワイン名は順に「サンコント・サンコント」、「フィフティ・フィフティ」、「チンクアンタ・エ・チンクアンタ」です)

それでは50/50の由来は?とコタツから出て調べると、

アンヌ・グロ・エ・ジャン・ポール・トロ(南仏)は、夫婦2人の力を合わせて造ったこと、ワインを飲む際に誰かと共有してほしいという思いを込めて「50/50」。

「ペジュ(カリフォルニア)」はまずブドウが「メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン50%」で、樽も「フレンチオーク50%、アメリカンオーク50%」ということでそうなっているようです。

「アヴィジョネージ」はよくわからなかったのですが、メルローとサンジョヴェーゼのブレンドのようなので、その比率なのでしょうか。

いずれにせよ、達成を記念してラベルを作成したのではなく、そのようなラベルのワインを集めたということのようですね。

実は「アンヌ・グロ・エ・ジャン・ポール・トロ ラ・サンコント・サンコント」はウチの取引先のインポーターでも扱っているようなので、仕入れてみましょうかね。





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モンベル×日本盛のコラボに対抗!スノーピーク×久保田

2024-12-03 11:03:50 | 酒の道具など



昨日は11月の登山用品メーカーの「モンベル(mont-bell)」×日本盛のコラボ日本酒について触れました。

そういえば、ということで思い出したのが、同じく?アウトドア用品メーカーのスノーピークのコラボ日本酒

スノーピークさんは、何年か前にアウトドア用のお猪口「雪峰(←スノーピークの和訳ですね)」を出したのですが、去年かな、この「雪峰」の名を冠した日本酒もプロデュースされたんです。




こちらは以前ご紹介したお猪口(当時の記事





「真っ黒」で良く分かりませんが、箱の下部にsnowpeakの文字とロゴが入っています。


お酒はあの久保田(朝日酒造)で、スノーピークが三条市、久保田がお隣の長岡市という御縁なのかもしれませんね。

このお酒、朝日酒造さんのホームページによれば

『日本に、もっと自然を楽しむ文化を。』このような想いを込めた、アウトドアで楽しむ日本酒というコンセプトの「久保田 雪峰」。
山廃仕込みがもたらす絶妙に調和した懐の深い味わいが特長で、素朴で力強いアウトドア料理にもバランスよくマッチし、季節や好みに合わせた温度で楽しむこともできます。
仲間との極上のひとときを、自然との究極の一体感を、「久保田 雪峰」から。

ということです。

お値段は500mlで¥3,850 (税込)ということで、なかなかのお値段ですね(容量も何も違うけど、昨日の日本盛×モンベルの10倍くらい)。

確かにスノーピークはキャンプやグランピングなども含め「お洒落に楽しもうぜ」という感じで、それに比べればモンベルはガチ登山も含め相対的にはストイックなアウトドア、という印象ですが、それも関係するのでしょうか。

まずはモンベル×日本盛を試してみましょう。




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11月の日経「私の履歴書」はモンベル創業者。日本盛とのコラボもありましたね。

2024-12-02 13:13:30 | 酒のご紹介



もう12月ですが、11月の日経新聞「私の履歴書」は登山用品メーカーの「モンベル(mont-bell)」の創業者の辰野さんのお話でした。

登山の場合「荷物は少しでも軽く」とか「体調を整えるためにアルコールは×」など、お酒はどちらかというと避けられる傾向にありますが、その一方で「山頂での一杯は格別」とか「テントでの酒盛り」など、アウトドアでの楽しみの一シーンと言う要素もありますね。

で、「私の履歴書」ですが、お酒の話はあまりなかったようでしたが、昨年モンベル絡みのこんな商品があったのを思い出しました。




当時のプレスリリースを探したらこうでした。

日本盛 生原酒 200mlボトル缶 mont-bellデザインボトル(本醸造、大吟醸)第三弾 期間限定発売のお知らせ

新デザインで登場!「生原酒ボトル缶」でアウトドアがもっと楽しくなる!アウトドア総合メーカー『株式会社モンベル』との大好評タイアップ企画


確かに日本盛さん、「キャップを再度閉められる」等を売りに「生原酒ボトル缶」を展開されていて、駅の構内とかでポップアップショップなどでも宣伝していますが、モンベルとのコラボもしているのですね。



こちらは現行の4商品


ちなみにこのモンベル缶、本醸造で298円、大吟醸で367円(どちらも税込み)ということですので、通常商品と同じお値段なんですね。
(ならモンベル缶が欲しいような。。。。。)

プレスリリースによれば既に「第三弾」だそうで、第一弾、第二弾とも好評だったようです。
「私の履歴書」で触れられていれば「第四弾」とかもあったのでしょうか。




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