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一応、酒屋のブログなのでお酒関係のネタで書くことにしていますが、別にお酒のことばかり考えているわけではありませんし、読む本もお酒関連ばかり、ではありません。
と、いうことで、先週読み終えたのが、こちらの新書。
こちら
文春新書「ストラディバリとグァルネリ」です。
「ストラディバリ」と「グァルネリ」は、億単位の金額で取引されるヴァイオリンの銘器の双璧ですね。
amazonに出ていた紹介では、こんな感じ。
ヴァイオリンほど不思議なものはない。三百年前に作られた木製楽器が、骨董品ではなく、現役としてナンバーワンの地位を占めているのだから。
頂点に位置する二人の名工の作品を軸に、なぜ、これほどまでに高価なのか、なぜ、これほどまでに美しい音色なのか、その謎と神秘に迫る。
筆者は中野雄さんという方で、オーディオ・メーカーの役員を務められた後音楽プロデューサーとしても活躍され、執筆も活発に行われている方で、自身、大学時代に学内オーケストラのコンマスを務めたことのあるヴァイオリン弾きでもあるらしい。
内容は「ストラディバリ」や「グァルネリ」などがいかに銘器であるかなどを、色々なトピックスや筆者のこれまでの経験で綴っているものです。
アイザックスターンなどの著名なヴァイオリニストがこれら銘器と現代の楽器を弾いたものを聴き比べても有意な差がなかったとか、プロのヴァイオリニストがブラインドで弾き比べた際、弾き手にも区別がつかない、というエピソードなど、「へぇ~」というものも多いのですが、全体としての読後感はあまり良いものではありませんでした。
と、いうのも、上記のような(事実っぽい)事項を色々と書き連ねながらも、筆者がストラディバリを弾いた際「素人(筆者)が弾いたら(プロなら届いた)部屋の外まで音が届かなかった」とか、「筆者の周囲にも(借りていた)ストラディバリを持ち主に返却したとたんに華やかなコンサートのチラシから名前が消えた(新進の)音楽家が一人ならずいる」など、矛盾することが書き連なられています。
書きぶりも昔話の自慢話っぽいし。
また、最近の(というか、20年くらい前の)ピリオド奏法がご不満のようで、「『昔はヴィブラート無し』を主張する古楽器奏者に一言」として、「レオポルト・モーツァルト(モーツァルトのお父さん)が書いた教科書にはヴィブラートをかけすぎるなと書いてある」と、「言ってやった!」的なことも書いてあります。
ただ、これって、今現在は当たり前の認識で、こんな論争、ありませんよ。
結局、筆者が知っているところのエピソードの世界の中で、色々自慢話を書き連ねている、という感じです。
と、思い出したのが、同じような読後感の(これまた)新書です。
文春の宿敵とも言える岩波新書の「ワインの常識」という本。
この本も似たような本で、矛盾や思い込みなどが満載。
amazonの「ワインの常識」の書評でも
「作者の自慢話っぽく感じる」
「読んでいるとだんだん鼻について来る」
「スノッブな感じが鼻につくのがいささか・・・」
と、「ストラディバリとグァルネリ」の読後感に似ている。
この本の場合、「常識」という押しつけがましいタイトルや、その背景となっている「これくらい知っとけよ」という書きぶりに怒った弁護士の先生がわざわざ「『ワインの常識』の非常識」という本を出してしまって、その結果かどうかはわかりませんが、現在では岩波新書の方は絶版になっているようです。
「ストラディバリとグァルネリ」はタイトル的にはマイルドなので、そんなことは起きないとは思うのですが。。。。。。
■
それはさておき、「ワインの常識」のamazon書評のコメントは、言い得て妙でした。
著者のいささか曖昧な記憶に基づいた回顧録と考えれば面白い
ですね。
確かにどちらの本も戦前生まれの東大出のエリートのお爺さん(著者略歴を見ると1926年と1931年)で、それぞれワインにしてもヴァイオリンにしても「玄人はだし」の知識・経験を持っている方々なのでしょうが、そこが大きな落とし穴ですね。
自分もお爺さんまでにはまだまだ年数がありますが、そんなことにならないように注意しようっと。
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