開会式はまだですが、スノーボード、モーグルなど既にソチ五輪の予選がスタートしました。
冬季五輪と言えば、日本中の期待を一身に背負って惨敗したサラエボ五輪の黒岩彰選手などの例がありますが、その頃と比べると、選手層が厚くなったということや、さまざまな競技への関心が高まったこともあり、誰か一人が国の期待を一身に背負うということがなくなったのはいいことですね。
ウィンタースポーツにまったく縁がない私でも、4大会連続出場のモーグル上村愛子、五輪競技に初めて採用された女子ジャンプの優勝候補高梨沙羅、男子の葛西、スピードスケートの長島、加藤、小平など、女子カーリングなど、注目選手や競技がすぐに出てきます。
しかし、やはり最大の注目は、フィギュアスケートでしょうね。し烈な代表争いを演じた、羽生・町田・高橋の最強男子とパトリック・チャンの争いも楽しみですが、やはり今大会の最大の注目は、集大成と宣言している浅田真央選手の戦いです。
シニア大会デビュー年のGPファイナルで鮮烈な優勝を飾りましたが、年齢制限で2006年トリノ五輪には出場できず、2010年バンクーバー五輪ではトリプルアクセルは決めたものの、コーチとのコミュニケーションなどもうまくいかず納得がいかない銀メダルに終わりました。
そして、今大会です。今シーズンの浅田選手は、順調に調整してきており、心身共にバンクーバーよりもいい調子だと思います。しかし、問題は長いブランクから復帰したキム・ヨナ選手の動向です。浅田選手が出場しているような一線級の国際大会ではありませんが、驚くような高得点をマークしました。
元々スキルが高く、表現力もある上に、冒険的な演技をするわけでもなく、経験を積むほどジャッジの評価も高くなる傾向があるフィギュアの特性から、ブランクがあったとはいえ、キム・ヨナの存在は大きな脅威です。
しかし、浅田選手は、昨年封印していたトリプルアクセルに果敢に挑戦しているように、「自分自身の最高の演技」が目指すところなのだと思います。そして、その結果である金メダルを当然目指していると思いますが、どちらが目的かと言えば、「自分の演技」なのだと思います。ですから、例え金メダルを逃すことになっても、自分が納得する「演技」が出来れば、それが真央ちゃんにとっての金メダルだと思います。
が、しかし、バンクーバーでの悲しい涙を見ているものとしては、やはり集大成の今回は金メダルをかけさせてあげたいです。もう真央ちゃんの涙は見たくないというのが、日本国民全員の気持ちではないでしょうか。先日の新聞で、長野の女王リピンスキーが大会を占っていましたが、彼女は浅田選手を推していました。キム・ヨナの実力を認めつつも、彼女のジャンプ構成が今の世界レベルでないことをあげ、浅田選手のチャレンジングな姿勢を評価していました。そして、その後に浅田選手の競技場を離れても裏表のない態度を称え応援するコメントがありました。こうしたことからも、浅田選手が日本人だけではなく誰からも愛される人柄だということが、本当によく分かります。
お父さんの心境としては、どんな結果となっても、真央ちゃんが笑顔で五輪を終えられることを願ってやみません。そういう気持ちを込めて、日本から気を送り、応援したいですね。