キャッチボールが基本中の基本といつも言われているけど、何が「基本」かを正しく理解していないと、いくら「真面目な気持ち」で練習に取り組んでいても意味はありません(残念ながら)。キャッチボールは、投げる、捕るという守備のすべてが入っているので、基本中の基本なのですが、投げる時であれば、体全体を使って相手の胸を狙って投げる、捕る時は、低いボールなら前に出て、後ろのボールは下がって、左右のボールも足を使って正面に入り、出来る限り胸の前で捕球するということが基本です。
今日は、このうち捕ることについて書きます。みんな横で捕ってはいけないことは知っているよね。それは少しでもイレギュラーすると後ろに抜けてしまうからだよね。きちんと正面に入っていれば、グラブで止められなくても体に当たって止められるということです。それともう一つ重要なのは「距離感」です。サバンナの草食動物は目が横についています。これはライオンなど肉食動物から身を守るために視野を広くしているのです。トンボも何百もの眼があるため、なかなかつかまりません。これに対して、人間の目は顔の前についています。つまり、正面のものを見やすいように出来ているのです。逆に横のものは距離感がはかりづらいということです。体の横でボールを捕ろうと思ってグラブを出しても、微妙に位置がズレたりするので、ポロポロするのです。どうしても届かない球は仕方ないけど、届くボールは面倒がらずにしっかり正面に入って捕ることがもっとも合理的で、確実な方法だということを覚えておこう。
次に気をつけたいのが「腰高」です。腰高だとボールをカバーする面積が少なくなるということもありますが、上と同様、上から見下ろす形になり、距離感がつかみづらいのです。また、実際に自分でやってみるとわかりますが、腰高のまま低いボールを捕ろうとすると、前かがみになり顔が下を向くためためボールから目が切れやすくなる=エラーをしやすくなるということです。だから、「腰を低く」して出来るだけボールと同じ高さで正面で捕ることが基本なのです。ただし、せっかく低い姿勢をとっても上体が前かがみで田植えのような姿勢になったら、同じことですから、出来るだけ上体は起こして顔が前を向くようにすることが必要です。
もう一つ、強い打球を怖がって内股になってしまうこともよくありますが、これも腰高の原因となります。内股でしゃがんでみると、普段使わない筋肉が張ってとても大変なのが分かります。また、腰高でボールの距離感がつかみづらいので、かえってボールが怖く感じます。ボールへの恐怖感を克服するためにも、基本通り腰を落として、正面からしっかりボールを見るとことが大切なのです。重要なのは、いかにボールがしっかり見える姿勢をとれるかということであり、「正面で」「腰を落として」というのもそういう意味があるということを意識して練習しよう。
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