浅田真央選手がフィギュアスケート世界選手権で金メダルを獲得しました。男子金の高橋大輔、ジュニアの羽生結弦、村上佳菜子と合わせシニア・ジュニアの男女完全制覇です。
以前も書きましたが(「目標」)、脳というのはGoal(目標達成)と認識すると体に活動を止めるように信号を送ります。目標達成による虚脱感や五輪後の燃え尽き症候群などはその典型です。ショートプログラムでボロボロだったキム・ヨナ選手や織田信成選手などもそうだったと思います。
「一試合一試合がんばるだけです」とか、「一番一番とるだけです」というスポーツ選手やお相撲さんがいますが、どこかの一点だけを目標にせずに、常に小さな目標をリセットするのもこうした燃え尽き症候群を避ける知恵なんでしょう。そんなことは意識していないでしょうが、浅田選手の口癖は「ノーミスで滑ることです」というものです。これはどこか一時点を目標とするのではなく、毎回毎回が目標設定となっているのです。ここが浅田選手の素晴らしい点ですね。
そして、今日のインタビューで浅田選手は「SP、フリーともノーミスで滑ることが目標だったので、ほぼノーミスで滑れたので良かったです」と答えていました。ニュースでも「浅田選手がほぼノーミスの演技で金メダルを獲得しました」と報じていました。ショートプログラムは見ていませんが、今日のフリーはノーミスに見えました。少なくとも転倒などの明らかなミスはありませんでした。しかし、昨日のSPでトリプルアクセルをダウングレードされたのに続き、今日もトリプルアクセルをダウングレードされ、ジャンプで1回転倒し、2回転が1回転になったキム・ヨナ選手にフリー首位の座を奪われました。
キム・ヨナ選手がどうこうではないのですが、やはり現在の採点方式はどうも納得性がありません。キム・ヨナ選手もSPから持ち直したとはいえ、今日のフリーの出来では浅田選手の方が良かったと思います。それでも高難度のトリプルアクセルに挑み、ほぼ出来ているのに、回転不足と判定されると、大幅に点を失い、転倒したキム・ヨナ選手に抜かれてしまうのです。これでキム・ヨナ選手がSPをもう少し無難にまとめていたら、やはり金には届かなかったことになります。
SP1位だった長洲未来選手も、いくつかミスはありましたが思いもしなかったフリー11位で7位となり演技後は茫然としていました。ジャンプで3つもダウングレードされたそうです。いわゆる観客が見る出来栄えと、あまりに専門的すぎて、機械的な採点方法にはどうしても疑問が残ります。今後採点方法の改正の動きはあるようですが、どこまで抜本的な改正がなされるかは分かりません。ですから、浅田選手には、サポートスタッフを万全にして、高難度の技に挑みつつ、完璧、ノーミスを目指して、次の目標に向かってほしいですね。小さくまとめるのは浅田選手らしくありません。常に高みを目指していつかこれまでで最高の笑顔を見せてほしいですね!
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