楽しい子育てのスタートには、早期の母子同室は大切です。
私は5年にわたり市立堺病院の母子同室に向けて一人で戦いをしてきました。
それは母子の健やかで楽しい子育てのために、早期の母子分離は避けなければなりません。
そこでこの戦いと母子同室の大切さを連続でお届けします。
第一回
これまで我が国のお産は、産後は母子の分離が行われていました。
「産婦の疲労回復」ということでに新生児室で管理する「母子分離」が行われていました。
赤ちゃんには「3時間おき」の授乳が行われ、お母さんは3時間ごとに授乳室で我が子に授乳するのが一般的でした。
この「3時間おき」の授乳は人工乳(ミルク)の消化に3時間かるところから設定されたものです。
母乳哺育の赤ちゃんは、1時間半から2時間で消化してしまいます。
従って赤ちゃんは3時間待たされると空腹で泣きます。また、生後まもなくからに頻回授乳しないと母乳哺育が出にくくなります。
母乳哺育はお母さんが出すものではなく、赤ちゃんが出してくれるものです。
頻回に授乳するためには、母子別室ではできません。
また、母乳での退院率の高い施設では、異常がないかぎり「母乳が出るまで」何も与えないことを実施しています。
赤ちゃんは、3日分の「お弁当と水筒」を持ってくると言われています。
出ない乳首を何回も何回も吸うことで母乳哺育は獲得できます。
正常新生児の母子同室は妊産婦にも、赤ちゃんにも、ごく自然であり、あたり前にあるべきです。
母乳哺育の実践、母性の確立や母子の信頼関係(絆)を形成し、赤ちゃんに対する愛着の形成や育児に対する自信が得られます。
WHOやユニセフは我が国に対して勧告をしています。
母子同室を採用すると言うことは、すべての乳児を収容する新生児室を廃止するということでもあります。
新生児室の換わりに母子同室にするメリットは数多くあり、医学的根拠に基づいています。
1 母親と新生児が最適な接触の機会を持つことができ、一般的にこの相互作用を 病院スタッフではなく母親がコントロールできる。
2 母親は、乳児が早期に出す合図や要求、 生活パターンがよくわかるようになる。このため、 家庭で乳児の要求に応えるために準備が容易になる。
3 乳児は要求に応じて頻回に授乳させるため、すぐに充分な母乳を飲むことができます。
母乳育児がうまくいく可能性が高まれば、 それに伴う栄養上、免疫上及び心理的な メリットもあります。
4 乳児の啼泣が少ない。(火のついたように 激しく泣く)
5 母親は、看護スタッフより早く医学的問題の症状や徴候を発見する。
6 頻繁に授乳を行うため、乳児のビリルビン値が 低くなり、黄疸が減少する。
この結果、検査や光線療法の必要性が減る。
7 感染症に罹患するリスクが小さい。
WHO勧告13 1992
トリエステ会議のコンセンサス勧告はすべての両親と新生児は、生まれたその瞬間から親密な接触を持つ権利があるとしている。
母子同室で一緒にいることは、赤ちゃんに影響を及ぼす帝王切開分娩やその他の医学的介入が行われた場合を含め、
あらゆる状況において奨励されるべきである。
母親と赤ちゃんは分離されてはならず、母親が望むだけ赤ちゃんと一緒にいられるべきである。
母子同室を奨励するともに、正常新生児を集中管理する新生児室の廃止が検討されるべきである。
さらに、健康でない赤ちゃんのケアについても、両親が参加されることが奨励されるべきであり、それは赤ちゃんに実際のケアを行ったり治療の決定に参加されることを含む。
妊娠中より、胎動時に胎児に話しかけ、出産後は児を扱う時は必ず声かけをするように指導している。この行動は、妊婦の母性を醸成し育み、育児に対する使命感が作られ、遊び感覚の育児が実践でき、「育児が楽しい」という母親が増えている。
添い寝(母子同床)を積極的に奨励している。児は母親と接触することにより落ち着いてくるし、母親も喜ぶ。また、添い寝により児に対する愛着が、さらに深まってゆくようである。
児と向かい合った側臥位で、下の腕で児を抱え込む方法と、仰臥位で児をお腹に乗せる方法の二種類を指導している。
このようにメリットの多い母子同室です。
明日へ続く
私は5年にわたり市立堺病院の母子同室に向けて一人で戦いをしてきました。
それは母子の健やかで楽しい子育てのために、早期の母子分離は避けなければなりません。
そこでこの戦いと母子同室の大切さを連続でお届けします。
第一回
これまで我が国のお産は、産後は母子の分離が行われていました。
「産婦の疲労回復」ということでに新生児室で管理する「母子分離」が行われていました。
赤ちゃんには「3時間おき」の授乳が行われ、お母さんは3時間ごとに授乳室で我が子に授乳するのが一般的でした。
この「3時間おき」の授乳は人工乳(ミルク)の消化に3時間かるところから設定されたものです。
母乳哺育の赤ちゃんは、1時間半から2時間で消化してしまいます。
従って赤ちゃんは3時間待たされると空腹で泣きます。また、生後まもなくからに頻回授乳しないと母乳哺育が出にくくなります。
母乳哺育はお母さんが出すものではなく、赤ちゃんが出してくれるものです。
頻回に授乳するためには、母子別室ではできません。
また、母乳での退院率の高い施設では、異常がないかぎり「母乳が出るまで」何も与えないことを実施しています。
赤ちゃんは、3日分の「お弁当と水筒」を持ってくると言われています。
出ない乳首を何回も何回も吸うことで母乳哺育は獲得できます。
正常新生児の母子同室は妊産婦にも、赤ちゃんにも、ごく自然であり、あたり前にあるべきです。
母乳哺育の実践、母性の確立や母子の信頼関係(絆)を形成し、赤ちゃんに対する愛着の形成や育児に対する自信が得られます。
WHOやユニセフは我が国に対して勧告をしています。
母子同室を採用すると言うことは、すべての乳児を収容する新生児室を廃止するということでもあります。
新生児室の換わりに母子同室にするメリットは数多くあり、医学的根拠に基づいています。
1 母親と新生児が最適な接触の機会を持つことができ、一般的にこの相互作用を 病院スタッフではなく母親がコントロールできる。
2 母親は、乳児が早期に出す合図や要求、 生活パターンがよくわかるようになる。このため、 家庭で乳児の要求に応えるために準備が容易になる。
3 乳児は要求に応じて頻回に授乳させるため、すぐに充分な母乳を飲むことができます。
母乳育児がうまくいく可能性が高まれば、 それに伴う栄養上、免疫上及び心理的な メリットもあります。
4 乳児の啼泣が少ない。(火のついたように 激しく泣く)
5 母親は、看護スタッフより早く医学的問題の症状や徴候を発見する。
6 頻繁に授乳を行うため、乳児のビリルビン値が 低くなり、黄疸が減少する。
この結果、検査や光線療法の必要性が減る。
7 感染症に罹患するリスクが小さい。
WHO勧告13 1992
トリエステ会議のコンセンサス勧告はすべての両親と新生児は、生まれたその瞬間から親密な接触を持つ権利があるとしている。
母子同室で一緒にいることは、赤ちゃんに影響を及ぼす帝王切開分娩やその他の医学的介入が行われた場合を含め、
あらゆる状況において奨励されるべきである。
母親と赤ちゃんは分離されてはならず、母親が望むだけ赤ちゃんと一緒にいられるべきである。
母子同室を奨励するともに、正常新生児を集中管理する新生児室の廃止が検討されるべきである。
さらに、健康でない赤ちゃんのケアについても、両親が参加されることが奨励されるべきであり、それは赤ちゃんに実際のケアを行ったり治療の決定に参加されることを含む。
妊娠中より、胎動時に胎児に話しかけ、出産後は児を扱う時は必ず声かけをするように指導している。この行動は、妊婦の母性を醸成し育み、育児に対する使命感が作られ、遊び感覚の育児が実践でき、「育児が楽しい」という母親が増えている。
添い寝(母子同床)を積極的に奨励している。児は母親と接触することにより落ち着いてくるし、母親も喜ぶ。また、添い寝により児に対する愛着が、さらに深まってゆくようである。
児と向かい合った側臥位で、下の腕で児を抱え込む方法と、仰臥位で児をお腹に乗せる方法の二種類を指導している。
このようにメリットの多い母子同室です。
明日へ続く