高座郡寒川町岡田に高野山高室院の末寺、真言宗寺院の「大塚山安楽寺」(成就院)はある。創建年代(伝)は養老2年(718)。東国最古級の古刹で相模國一之宮である寒川神社の別当寺として創建。江戸期には中本寺格の寺院で門末18ヶ寺を擁し「一之宮門中」、「大塚門中」と称され、寛永10年(1633)の「関東真言宗古義本末牒」には「法談所」と記され当地の真言宗僧侶の養成機関であった。明治維新後に廃寺となった観護寺、等覚寺、宝塔院を合寺していた。本尊は大日如来坐像(平安時代後期の作で寒川町文化財に指定)。寒川駅北口より45号線(中原街道)を北上十数分、寒川小学校手前に構えられた「寺号標石」を抜けると左手に「池」が配され正面に入り母屋づくりの「本堂」、右に「庫裏」がある。本堂前には霊場として「弘法大師坐像」がある。また境内裏手にある「大神塚(応神塚)」は帆立貝形の前方後円墳で五世紀の築造と推定される。当寺は相模国準四国八十八箇所第6番札所である。(1907)