東京都調布市調布ヶ丘に「延喜式」に名を連ねる多摩地方有数の古社、布田五宿の総鎮守で「五宿天神」と呼ばれている「布多天神社」は鎮座する。創建(伝)は凡そ1940年前の垂仁天皇の御代とされる。平安時代初頭の延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳の武蔵国多磨郡に記述がある式内古社である。室町時代の天正18年(1590)に豊臣秀吉が小田原の北条を攻略する際に人々を安堵させるために出した「太閤の制札」を所蔵している。旧社地整備中、昭和55年の発掘調査によって約1万年前の旧石器時代、約4~5千年前の縄文時代の生活跡、約1千5百年前の墓などが発見された。主祭神は少彦名神、菅原道真公。社格は式内古社、郷社。元の社殿は現在の布田5丁目にあったが文明年間に多摩川が大氾濫により文明9年(1477)に現在地に遷座し菅原道真公を合祀した。調布駅北口前を走る都道119号(球甲州街道)布田バス停前を横断、「大正寺」の先に鎮座している。鳥居を抜けると正面に一間社流造りの「本殿」、右に「神楽殿」、「太閤秀吉の制札」、市指定文化財の狛犬建てられ、いくつかの境内社が祀られている。(1911)






