調布市西つつじヶ丘駅近くに本山を永平寺・総持寺とする「朱門の寺」として知られている明庵千光国師栄西禅師開祖の曹洞宗寺院「大雲山金龍禅寺」はある。創建は建永元年(1206)。文禄3年(1594)世田谷勝光院六世乾晨寺三世岳応守英大和尚が曹洞宗寺院として開山、慶安2年(1649)には寺領13石4斗の朱印状を拝領している。本尊は釋伽牟尼佛。脇侍佛は文珠菩薩・普賢菩薩 。源義経、弁慶らもこの地で休したという。また徳川家光将軍も狩猟の途次に休憩し「深谷山」の号を付した。駅前の都道119号(旧甲州街道)を右折、住宅街を通り抜ける感じの参道を進むと正面に仁王像を従えた朱塗りの鮮やか「山門」を抜け入山すると正面に「本堂」、横に庫裏がある。境内に立ち並ぶ馬頭観音、大慈悲観世音菩薩の像、大閻魔像(頼朝の祈願)、道元禅師像、八佛尊、十八阿羅漢尊者像らは見応えがある。境内中央に大イチョウ、山門そばに高札場も復元されている。都会の喧噪から隔離されたような穏やかな時が流れる静寂な雰囲気の寺域である。(1911)