相模原市南区下溝に四季の花が絶えない「県立相模原公園」はある。当園では今、終焉近い梅、咲き誇る「河津桜」と寒桜、そして菜の花が咲き乱れている。これから咲き出す「オカメザクラ」と寒緋桜。もう一つイベント広場前の遊歩道沿いに造られた細長い花壇では黄色と白色の「スイセン」(水仙)が数千本の可憐な花姿を披露中である。「スイセン」はヒガンバナ科、スイセン属の球根植物、多年草である。和名は「水仙」、「雪中花」。古代ギリシャ時代の壁画にスイセンの絵が残っていることから、この頃には「ラッパスイセン」が咲いていたことが判る。地中海から中近東を経由してシルクロードを渡り、日本には室町時代に中国から渡来した。中国ではスイセンは「水の仙人」と呼ばれている。スイセンは香りの良い春の草花として親しまれている。花の仄かな甘い香りは天然香料として香水に使われる。スイセン独特な花姿をしていて、6枚の花弁に見える部分は二段構造になっていて、上の3枚が花弁、下の3枚は萼片である。おしべとめしべの周りを取り囲む筒が副花冠である。「神秘」とか「尊敬」の花言葉をもつ「スイセン」はまさしく神秘的な花である。(2203)
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