伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ヤモリの指

2007-06-03 09:31:04 | 自然科学・工学系
 ハスの葉がなぜいつもきれいなのか、ヤモリはなぜ壁や天井を歩けるのかなど、生物の持つ構造にヒントを得てその謎を解明し実用化・商品化しようと試みる科学者・事業者の様子をレポートした本。
 ハスの葉には超微細な突起があるために水滴が濡れることなく転がり落ち表面の汚れを水滴が持ち去るので自浄作用があるとか、ヤモリの指にはナノレベルの微細な剛毛が密集していてどのような表面にも密着できるとか、ミクロの世界の話がいろいろ勉強になりました。でも、解明されていないことが多く、ヤモリの剛毛が壁面と密着する力は現在はファンデルワールス力(分子間力)と説明されていて、2ナノメートル以内まで相手と接近すると働くということですが、離れるときはどうしてうまくできるんだろうとか疑問ができますし、水が介在する力(毛管引力/表面張力)という反論もあるようです。昆虫が飛べるわけは飛行機の飛行理論では説明できないし、クモの糸も技術者には憧れの的だけど同等のものを作るのはまだ難しい。
 生命の神秘とも科学の夢とも言える、科学の最前線のある局面を覗けて感心できました。


原題:THE GECKO’S FOOT
ピーター・フォーブズ 訳:吉田三知世
早川書房 2007年3月31日発行 (原書は2005年)
コメント
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