児童虐待等の問題に取り組むNPO「少女と少年の町」のグループが書いた、いじめ対策本。
執筆者により温度差がありますが、基本的には教師向けのもので、タイトルから期待されるようないじめの被害者側からのアプローチは少なく、むしろ教師サイドの意識改革によりいじめを根絶しようという感じの本。割れ窓理論的な早期の介入と厳罰(信賞必罰だと言っていますが)を強調する部分が多く、実行したらかなり厳しい管理教育になりそう。
自分がして欲しいと思うことを相手にもしなさいという黄金律は何度も強調されていますし、親が言行一致を実践し自分の子どもの未来像として描いている誠実な人間にあなた自身がなることだという指摘(190頁)も正しいと思いますし、叱った回数の4倍ほめよう(174頁)というのも言ってはいます(いずれも実践は難しいですが)が、全体のトーンは違うような気がします。
152頁からの被害者の子どもや傍観者の子どもの側からのアプローチが少し読ませどころでしょうか。「撃退マニュアル」の日本語タイトルに沿うのはここくらいですし。これもなかなか実践は厳しそうに感じますけどね。

原題:NO ROOM FOR BULLIES
ホセ・ボルトン、スタン・グリーブ編 訳:楡井浩一
徳間書店 2007年4月30日発行 (原書は2005年)
執筆者により温度差がありますが、基本的には教師向けのもので、タイトルから期待されるようないじめの被害者側からのアプローチは少なく、むしろ教師サイドの意識改革によりいじめを根絶しようという感じの本。割れ窓理論的な早期の介入と厳罰(信賞必罰だと言っていますが)を強調する部分が多く、実行したらかなり厳しい管理教育になりそう。
自分がして欲しいと思うことを相手にもしなさいという黄金律は何度も強調されていますし、親が言行一致を実践し自分の子どもの未来像として描いている誠実な人間にあなた自身がなることだという指摘(190頁)も正しいと思いますし、叱った回数の4倍ほめよう(174頁)というのも言ってはいます(いずれも実践は難しいですが)が、全体のトーンは違うような気がします。
152頁からの被害者の子どもや傍観者の子どもの側からのアプローチが少し読ませどころでしょうか。「撃退マニュアル」の日本語タイトルに沿うのはここくらいですし。これもなかなか実践は厳しそうに感じますけどね。

原題:NO ROOM FOR BULLIES
ホセ・ボルトン、スタン・グリーブ編 訳:楡井浩一
徳間書店 2007年4月30日発行 (原書は2005年)