日本ではビデオ・リサーチ1社が独占して調査提供しているTVの視聴率についての解説。
冒頭で視聴率に対する神話の間違いを指摘していますが、少なくともサンプルが少なすぎることと「数」はわかっても「質」はわからないということは正しい批判のはず。それをサンプルを増やすとコストがかかりすぎるとか、本来「質」がわかる調査ではないと言って批判の方が間違っているというのは(34~39頁)、ビデオ・リサーチの商売としてはそうかもしれないけど理屈として反論になっていません。ずいぶんと偏った書き方をと思ったら、著者は元ビデオ・リサーチ社員。そのあたりで読む意欲半減・・・
同じく冒頭でサンプル数から見て視聴率10%は95%信頼値で±2.4%の誤差付きの数字と説明していて(22~23頁)、それはなるほどと思うのですが、自分が視聴率を使って議論するときは平気でその誤差の範囲内のことを差があるかのように書いていたり(例えば111頁で大阪国際女子マラソン14%が別府大分毎日マラソン12.2%を上回ったと言ってみたりとか)しているのはちょっとねえ。
今の調査方法が世帯視聴率なのでテレビが複数ある世帯で別々の番組を見ていると両方の番組でそれぞれ1世帯見ているとカウントされる(だから絶対視聴率を合計して総世帯視聴率を超えることもあり得る:視聴率って複数回答の統計と同じだったんですね)というのは(56~61頁)初めて知りました。

藤平芳紀 朝日新書 2007年4月30日発行
冒頭で視聴率に対する神話の間違いを指摘していますが、少なくともサンプルが少なすぎることと「数」はわかっても「質」はわからないということは正しい批判のはず。それをサンプルを増やすとコストがかかりすぎるとか、本来「質」がわかる調査ではないと言って批判の方が間違っているというのは(34~39頁)、ビデオ・リサーチの商売としてはそうかもしれないけど理屈として反論になっていません。ずいぶんと偏った書き方をと思ったら、著者は元ビデオ・リサーチ社員。そのあたりで読む意欲半減・・・
同じく冒頭でサンプル数から見て視聴率10%は95%信頼値で±2.4%の誤差付きの数字と説明していて(22~23頁)、それはなるほどと思うのですが、自分が視聴率を使って議論するときは平気でその誤差の範囲内のことを差があるかのように書いていたり(例えば111頁で大阪国際女子マラソン14%が別府大分毎日マラソン12.2%を上回ったと言ってみたりとか)しているのはちょっとねえ。
今の調査方法が世帯視聴率なのでテレビが複数ある世帯で別々の番組を見ていると両方の番組でそれぞれ1世帯見ているとカウントされる(だから絶対視聴率を合計して総世帯視聴率を超えることもあり得る:視聴率って複数回答の統計と同じだったんですね)というのは(56~61頁)初めて知りました。

藤平芳紀 朝日新書 2007年4月30日発行