伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

守護天使

2007-06-20 07:56:38 | 小説
 鬼嫁の尻に敷かれてくたびれた生活を送る50歳おじさんが通勤電車でよく会う女子高生に恋して、その女子高生を陥れようとするブログと荒らし、襲撃者たちから女子高生を救うというストーリーの小説。
 ちょっと設定を大仰にしてしまい取材や経験が付いていけずにディテールが書き込めない結果浮き気味なところが残念ですが、新人の作品としてはかなりいけてると思います。まあ過剰な設定と過剰な表現はコメディなんだギャグなんだと思って読み飛ばせばいいでしょう。でも、ネットやブログ、掲示板が舞台回しに使われているもののやっぱり想定読者層は作者と同年代の中年男性でしょうね。
 うちの業界的には、最後で主人公が下半身裸で登場したのを「猥褻物陳列罪」(240頁)はやめて欲しかった。あちこちで言われて周知のことと思っていましたが、これは「公然猥褻罪」(人間自身は「物」ではない)。まあ猥褻物陳列罪の方が一般受けするからかも知れませんけど。


上村祐 宝島社 2007年4月6日発行
コメント
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