異星生命体とのコンタクトと愛を描いたSF小説。
2019年にトンガ海溝海底で発見された小型トラック程度の大きさで5000tもの重量がある(プルトニウムの3倍以上の密度がある)謎の物体を引き上げてサモアで分析の試みを続ける科学者たちとそれに介入しようとするCIA、1931年にアメリカに上陸して人間の姿になりさまよい続ける変身可能な不死の異星生命体<変わり子>(チェンジリング)、古代から様々な人間の姿で戦闘・虐殺を続ける変身可能な異星生命体<カメレオン>の3者で場面切り替えをしながらストーリーが進んでいきます。
謎の物体の正体と、<変わり子>の変転とその過程での人間への態度の変化が中心となっていきます。謎の物体の正体の解明は遅々として進まず、また<変わり子>も中盤まで比較的残忍というか人の命に冷淡です(前半でバターンの死の行進が取りあげられ日本軍の残忍さがわりと長く語られているのが印象的です)。終盤になって急展開し、最後はある意味でわかりやすいパターンに落ちついていますが、謎の物体の正体の解明としては、あれだけ引っ張った挙げ句のものとしてはちょっと欲求不満が残るかも。
<変わり子>という訳語も含め翻訳文には私は今ひとつなじみにくく感じました。

原題:CAMOUFLAGE
ジョー・ホールドマン 訳:金子司
早川書房 2007年5月15日発行 (原書は2004年)
2019年にトンガ海溝海底で発見された小型トラック程度の大きさで5000tもの重量がある(プルトニウムの3倍以上の密度がある)謎の物体を引き上げてサモアで分析の試みを続ける科学者たちとそれに介入しようとするCIA、1931年にアメリカに上陸して人間の姿になりさまよい続ける変身可能な不死の異星生命体<変わり子>(チェンジリング)、古代から様々な人間の姿で戦闘・虐殺を続ける変身可能な異星生命体<カメレオン>の3者で場面切り替えをしながらストーリーが進んでいきます。
謎の物体の正体と、<変わり子>の変転とその過程での人間への態度の変化が中心となっていきます。謎の物体の正体の解明は遅々として進まず、また<変わり子>も中盤まで比較的残忍というか人の命に冷淡です(前半でバターンの死の行進が取りあげられ日本軍の残忍さがわりと長く語られているのが印象的です)。終盤になって急展開し、最後はある意味でわかりやすいパターンに落ちついていますが、謎の物体の正体の解明としては、あれだけ引っ張った挙げ句のものとしてはちょっと欲求不満が残るかも。
<変わり子>という訳語も含め翻訳文には私は今ひとつなじみにくく感じました。

原題:CAMOUFLAGE
ジョー・ホールドマン 訳:金子司
早川書房 2007年5月15日発行 (原書は2004年)