伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

水底の仮面 ヴェヌス秘録1

2007-06-11 09:03:14 | 物語・ファンタジー・SF
 裕福な生家を捨てて無頼人として生きるフリアンと生まれながらに顔面の筋肉が動かないデスマスクの女で仮面ギルドの陰謀の手先の高級娼婦として生きるエウリュディケのロマンスと冒険を描いた小説。
 海の都ヴェヌス(ヴェニス)を舞台に、謝肉祭期間中は仮面を付けなければならない(素顔で人前に出ることは犯罪とされている)という設定で物語が進められています。その必需品となる仮面を作る職人組合が、呪術を用いて人々を支配し殺害するという陰謀を企み、その陰謀に用いられた呪いの仮面をフリアンが拾ったところから、フリアンが陰謀に巻き込まれていくといったストーリーです。
 淫蕩などこか邪教っぽい呪術の世界が、キリスト教圏では独特の意味があって読者を惹きつけるのでしょうけど、そういう文化的背景のない読者には後半の魔術・呪術の世界が嘘っぽくて付いていけない感じ。
 原文のせいか翻訳のせいかわかりませんが、今時の文章にしてはまわりくどくて不親切ですし。


原題:Faces Under Water ;The secret books of Venus 1
タニス・リー 訳:柿沼瑛子
産業編集センター 2007年3月31日発行
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする