伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

太陽からの光と風

2008-02-01 19:13:26 | 自然科学・工学系
 太陽のことや太陽が地球や生物に与える影響、太陽の活動が人工衛星やGPSに与える影響などについて解説した本。
 太陽のことから少し横道にそれた話が勉強になりました。例えば、地球温暖化に関連して、エーロゾル(浮遊粒子)が増加した場合に、それ自体が太陽光を反射して気温を下げる効果に加えて、雲の粒子が小さくなり雲の太陽光反射が多くなって気温を下げる「雲アルベド効果」がまだよくわかっておらず、それによって温暖化の評価がかなり変わること(43~47頁)とか知りませんでした。生体時計の話でも、時間の経過を予測する生体時計があって、そのために明日は何時に起きようと思っているとその時間に起きれたりするとか、時計を見ずに何秒経ったかを答えさせて実際には60秒の時間を75秒以上と答えた人の5年間での死亡率は45秒未満と答えた人の5倍:せっかちな人ほど早死にする(92~94頁)とか(^^;
 地球上空の電離圏の電子数によって電波の速度が変化しGPSの精度に影響を与える(168~177頁)とか太陽からの放射線で人工衛星のコンピュータが誤動作したりハングアップする(138~141頁)とかが説明されていて、興味深いのですが、太陽の活動が活発になったときにどうなるのか、それに対する対策はといったことが、今ひとつ書かれていません。ちょうどこれから太陽の活動が活発になり、特にGPSや衛星通信がその洗礼を受けどうなるかが注目されている時期にとってもタイムリーに出版されたのですから、そのあたりを書き込んで欲しかったなと思いました。


秋岡眞樹編著 技術評論社 2008年1月10日発行
コメント
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