伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

星と砂漠と王子さまと

2008-02-12 08:06:47 | 物語・ファンタジー・SF
 著作権切れで出版ラッシュとなった Le Petit Prince のまた最近出た新訳。
 別の新訳を読んでいないので、新訳比べはできませんけど、翻訳で論争の的になり続けている、キツネが王子さまに特別な関係になるために必要なこととして伝えたapprivoiserは従来の岩波書店版と同じ「飼いならす」。すったもんだしてもやっぱりこれがベストの選択なんでしょうか。王子さまがヒツジに食べさせたい若木も「小潅木」って・・・今訳するのならもっと読みやすくして欲しいなと思うんですが。
 タイトルは、岩波書店の主張に配慮して「星の王子さま」にせずに、しかし、星は残してちょっと中途半端。いっそのこと原題通りに「小さな王子さま」の方が潔いと思うんですけど。
 Le Petit Prince は高校時代に英語版を授業で読まされて以来。大人の「私」が子どもの心を忘れずに、澄んだ心の目で見ようと述べながら、同時に王子さまの心の成長(一直線の成長でもないけど)が描かれ、それをうれしく思うとともに少し寂しさ/せつなさも感じる(そう感じるとは書いていませんけどね)、そのあたりの微妙な「私」の心理が、親になってみて読んで味わい深く思えました。


原題:Le Petit Prince
サン=テグジュペリ 訳:飯島勉
文芸社 2007年12月15日発行
コメント
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