脳の画像(CTスキャン、MRI等)を用いて統合失調症や脳と心の仕組みを研究する脳科学者を紹介する番組をブックレット化したもの。
MRI技術の進展によって生きた人間の脳の活動を観察できるようになり、それを用いて様々な行動時に脳のどの部分が活性化しているかの脳地図(ブレーンマッピング)を作成することでアルツハイマーや統合失調症の治療に役立てて行くというのがその研究です。アルツハイマーも統合失調症も脳の変化/脳組織の一部喪失によるものとされ、化学物質(薬)による治療と予防が語られています。
アンドリアセン博士の話で注目されるのは、この種の研究をしていると、特定の細胞や遺伝子や化学物質の働きで全てが決定されるという方向に行きがちなのですが、脳には驚くべき柔軟性があり自らよりよく修正することができる(69頁)、「わたしたちは遺伝子によって決定されているのではなく、常に環境を受けとめ変化している」「健康でより幸せになる選択をすることもできるし、一方で悪い選択をすることもある」(73頁)ことを強調していることです。ただそのことは抽象的に言われているだけで具体例が挙がらないのが残念。そこをもう少し敷衍して欲しかったのですが。

ナンシー・アンドリアセン+吉成真由美 NHK出版 2007年11月25日発行
MRI技術の進展によって生きた人間の脳の活動を観察できるようになり、それを用いて様々な行動時に脳のどの部分が活性化しているかの脳地図(ブレーンマッピング)を作成することでアルツハイマーや統合失調症の治療に役立てて行くというのがその研究です。アルツハイマーも統合失調症も脳の変化/脳組織の一部喪失によるものとされ、化学物質(薬)による治療と予防が語られています。
アンドリアセン博士の話で注目されるのは、この種の研究をしていると、特定の細胞や遺伝子や化学物質の働きで全てが決定されるという方向に行きがちなのですが、脳には驚くべき柔軟性があり自らよりよく修正することができる(69頁)、「わたしたちは遺伝子によって決定されているのではなく、常に環境を受けとめ変化している」「健康でより幸せになる選択をすることもできるし、一方で悪い選択をすることもある」(73頁)ことを強調していることです。ただそのことは抽象的に言われているだけで具体例が挙がらないのが残念。そこをもう少し敷衍して欲しかったのですが。

ナンシー・アンドリアセン+吉成真由美 NHK出版 2007年11月25日発行