主人公の想像上の友人(イマジナリー・コンパニオン)だった「あねのねちゃん」が大人になってから現れ、通常は他人には見えないのに、他人に影響を与えることもでき、主人公の潜在的願望を叶えて復讐を始めるのですが、そういうイマジナリー・コンパニオンを持つのは主人公だけではなく、戦いが始まるというようなストーリーの小説。
最初のうちは、消極的で控え目な性格の主人公の隠された願望が、イマジナリー・コンパニオンの手によって満たされるという超能力小説っぽい趣ですが、イマジナリー・コンパニオンが抑制できなくなりさらにはイマジナリー・コンパニオンに支配されるというホラーっぽい展開もあって、その中間的なお話。
現実に影響を与えうるイマジナリー・コンパニオンを持つ登場人物が、イマジナリー・コンパニオンに持たせる役割がそれぞれで、そこに人間性が表れています。そういう点では主人公が一番低レベルに思えてしまうのが哀しいですが。

梶尾真治 新潮社 2007年12月24日発行
最初のうちは、消極的で控え目な性格の主人公の隠された願望が、イマジナリー・コンパニオンの手によって満たされるという超能力小説っぽい趣ですが、イマジナリー・コンパニオンが抑制できなくなりさらにはイマジナリー・コンパニオンに支配されるというホラーっぽい展開もあって、その中間的なお話。
現実に影響を与えうるイマジナリー・コンパニオンを持つ登場人物が、イマジナリー・コンパニオンに持たせる役割がそれぞれで、そこに人間性が表れています。そういう点では主人公が一番低レベルに思えてしまうのが哀しいですが。

梶尾真治 新潮社 2007年12月24日発行