伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

敗戦国ニッポンの記録 下巻

2008-02-11 17:21:11 | ノンフィクション
 アメリカ国立公文書館所蔵の写真の中から占領時代の日本の写真を選んで掲載した写真集。下巻は復興の過程での民衆の生活に関する写真が集められています。
 アメリカサイドで撮影した写真ですので、アメリカに好意的な写真が多くなっているとは思いますが、貧しいながらも人々がたくましく生活している様子を写した写真を見ていると、アメリカが占領がうまくいった例としていつも日本占領を引き合いに出す気持ちがわかる気がします。
 また、メーデーなどで、皇居前広場を埋め尽くす50万人の群衆なんて写真を見ると、隔世の感がありますし、労働者の団結権の意味も今とは違って感じられます。占領政策の転換後の労働運動に関する写真も掲載されていたら、さらにまた違う感慨を感じられたかとも思いますが。
 人々の生活ぶりを見ても、法や制度の意味合いも、固定したものではなく時代に応じて創造的に考える必要があることを再確認できる気がしました。
 個人的には、事務所のすぐそばの神田小川町交差点の写真(100頁)に、へ~っここって戦後すぐから角の店の敷地が斜めに切られてたんだって、感慨深く見ました(そんなマニアックなこと誰も考えないって(^^ゞ)。


半藤一利 アーカイブズ出版 2007年10月20日発行
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バブル

2008-02-11 11:33:49 | ノンフィクション
 元特捜検事で弁護士に転身後は暴力団やバブル紳士ら闇社会の人々の代理人として活動していた著者のインタビュー本。
 「反転 闇社会の守護神と呼ばれて」の検察官時代を落としてバブル紳士の依頼者関係を少し追加し、バブル時代のエピソードと論評を追加したという感じ。
 前半は「反転」の要約版という感じで、著者の依頼者関係で新たに出てきたのは武富士と暴力団の関係(65~69頁)くらいでしょうか。「反転」からふくらませたのは許永中関係を少しと山口組の宅見若頭関係が中心で、後半で貸し手側の問題、銀行の悪辣さやRCC(債権回収機構)の強引さなどが指摘されています。
 「反転」を読むのが大変と思う人(まぁ分厚いですからね)には手頃ですが、「反転」を読んだ後に読むとディテールが落ちるのでちょっと物足りないと思います。


田中森一 宝島社 2007年12月21日発行
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