伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

図解 「大人の説明力!」

2008-02-09 09:20:10 | 実用書・ビジネス書
 セールスやプレゼンのための説明のやり方の解説本。
 説明をするとき、自分の目的(獲得目標)と相手のニーズをまず考え、その上で説明したいテーマについてどう説明するかを考えろという指摘は頷けます。そのためには、最初から説明をするのではなく、相手に質問して相手の関心・ニーズを確認することが大事だとか、相手に考えさせ自分で理解するために敢えて説明しないこと/沈黙することが有効な場合もあるという話もなるほどと思います。なかなか実践できませんが。
 そして説明で一番大事なのは事前準備で、資料をよく理解し、自分が理解するためにもまず図解し、説明の筋書きを考え、それを相手にあわせて仕上げ、さらにリハーサルしてから説明に臨むべきとか。う~ん、これって証人尋問の準備と同じですね。私も証人尋問ならそうしますけど、意見陳述とか講演ではそこまではなかなか・・・


開米瑞浩 青春出版社 2007年12月15日発行
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新しい道徳

2008-02-09 08:50:04 | 人文・社会科学系
 単一の価値観で通じた「成長社会」では「正解」を速くはじき出す「情報処理力」が求められたが、変化が激しく複雑な「成熟社会」では「正解」よりも議論した末の「納得解」が重要でありそれを導くための「情報編集力」が必要だとして、思考停止したパターン認識から「それぞれ」の複眼的発想による新しい道徳へと移行することが必要だということを論じた本。
 学力低下の議論を素材に、必要な学力は何か、これからの日本に必要な学力は(小学校時代に身につけるべき基礎学力は別として)情報編集力で、そのためには総合学習こそ必要ではないか、「ゆとり教育」見直しのきっかけとなった国際テストでも1位のフィンランドは総合学習を増やしているではないかと論じています。いじめ問題では、大人の社会でもいじめはあるのに学校のいじめだけ許せないのは疑問だ、いじめを抑制するためには親や教師でない大人が学校運営に参加して子どもが多様な大人にもまれて成長する機会が必要だと指摘しています。
 論理的に一貫しているのか、やや疑問も感じますし、テレビが何でも2項対立に単純化することを批判して世の中はもっと複雑と言いながら、2項対立的に印象的な言葉でまとめています。でも、それがわりとうまくて説得力があったりして、一筋縄ではいかないように思えます。
 最後の章で個性が大事と論じ、全ての人間は障害者でありたまたま障害のない期間があると考えれば生きやすいという発想は目からウロコですね。


藤原和博 ちくまプリマー新書 2007年12月10日発行
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