著者のドイツでのサッカー経験をベースに論じたサッカー論。
攻撃の目的はシュートを打つこと(結果としてのゴールは偶然性が高い)、守備の目的は相手からボールを奪い返すこと(失点を防ぐというのは受け身の結果に過ぎない)という整理は、いわれてみれば当然ですが、納得できます。
勝負はボールのないところで決まる、攻撃ではクリエイティブな無駄走り(スペースへの走り込みによりパスを引きだし、ディフェンダーを引きつけ、新たなスペースを作るなど、走り続けることで相手を崩しチャンスを作っていく)、守備ではボールを持つ相手へのチェイス&チェック(プレッシング)と周囲の連動(パスコースを切る、レシーバーへのプレス、インターセプト、カウンターの準備など)などを主体的に考えて実行していくことが大事。全く同感です。日本代表のサッカーを見ていて、タイトルにあるような「どうしてそこでシュートを打たないんだよ!」と思うことが多いのはもちろんですが、私はそれよりも攻撃の時に「どうして2人目、3人目が走り込んでこないんだよ」「誰もこぼれ球を狙いに行かないのはなぜなんだ」と思い、攻撃でも守備でも「何、歩いてんだ」と思うことの方が多いんです。
シュートを打たないのは個人主義が根付いていない日本人の心性としても、組織サッカーというなら組織のために献身的にスペースへの走り込みや相手へのプレッシングをやってもよさそうなのに、それもさほどではないのはなぜ?と思っていました。自分こそシュートを決めてやるといういい意味での利己性が出せないのに、確実にパスをもらえるときでないと走り込まない、走り込まなくても自分の足元にパスが欲しいという利己性は出すわけです。でもこの本を読んで、どちらも共通して、失敗を恐れずリスクを取って積極的に主体的にアクションを起こして行こうという心性の欠落によるものと理解しました。

湯浅健二 アスキー新書 2007年7月25日発行
攻撃の目的はシュートを打つこと(結果としてのゴールは偶然性が高い)、守備の目的は相手からボールを奪い返すこと(失点を防ぐというのは受け身の結果に過ぎない)という整理は、いわれてみれば当然ですが、納得できます。
勝負はボールのないところで決まる、攻撃ではクリエイティブな無駄走り(スペースへの走り込みによりパスを引きだし、ディフェンダーを引きつけ、新たなスペースを作るなど、走り続けることで相手を崩しチャンスを作っていく)、守備ではボールを持つ相手へのチェイス&チェック(プレッシング)と周囲の連動(パスコースを切る、レシーバーへのプレス、インターセプト、カウンターの準備など)などを主体的に考えて実行していくことが大事。全く同感です。日本代表のサッカーを見ていて、タイトルにあるような「どうしてそこでシュートを打たないんだよ!」と思うことが多いのはもちろんですが、私はそれよりも攻撃の時に「どうして2人目、3人目が走り込んでこないんだよ」「誰もこぼれ球を狙いに行かないのはなぜなんだ」と思い、攻撃でも守備でも「何、歩いてんだ」と思うことの方が多いんです。
シュートを打たないのは個人主義が根付いていない日本人の心性としても、組織サッカーというなら組織のために献身的にスペースへの走り込みや相手へのプレッシングをやってもよさそうなのに、それもさほどではないのはなぜ?と思っていました。自分こそシュートを決めてやるといういい意味での利己性が出せないのに、確実にパスをもらえるときでないと走り込まない、走り込まなくても自分の足元にパスが欲しいという利己性は出すわけです。でもこの本を読んで、どちらも共通して、失敗を恐れずリスクを取って積極的に主体的にアクションを起こして行こうという心性の欠落によるものと理解しました。

湯浅健二 アスキー新書 2007年7月25日発行