伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

もっと知りたいゴッホ 生涯と作品

2008-02-22 08:27:23 | 人文・社会科学系
 ゴッホの解説本。
 牧師の息子として生まれたお坊ちゃんでありながら学業も仕事も続かず絵も売れず貧しく暮らし弟の仕送りに頼って作画を続けた生涯、なぜか浮世絵で知る日本を理想化して憧れ続け南仏を日本と同視してユートピアを夢見たアルル時代、ゴーガンとの諍いと耳切事件、精神病院への入院などが紹介されています。
 牧師の息子で伝道師になり損ねたことからくる教会へのアンビバレントな気持ちが、作品の中での教会の描き方にも反映しているようですね。そのあたりは初めて知りました。
 ゴッホは黄色と青が印象的ですが、そのシンボルとしては私はアルル時代の「夜のカフェテラス」が気に入っています。独特のゴッホのうねりはないのですが。


圀府寺司 東京美術 2007年12月25日発行
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クリムトとウィーン

2008-02-22 07:48:08 | 人文・社会科学系
 グスタフ・クリムトの解説本。
 19世紀末のウィーンの状況や、クリムトが工芸美術学校からスタートしたこと、それが徹底したデッサンと工芸品のような作品の素地となっていること、若くして新ブルグ劇場の天井画や美術史美術館の階段の間の装飾画で名声を得たこと、多数の女性との間で多くの子をなしたことなど、作品そのものよりも人生とその周辺のエピソードの方に重きを置いた感じです。
 今回の本では、有名な金ぴか模様の肖像画よりも、また幻想的な絵よりも、壁画の方に惹かれました。特に初期の美術史美術館の装飾画の写実性と歴史的なモチーフの巧みさにはビックリ。これで名声を博したのはうなずけます。こっちの方を大写しにした画集も見てみたいなと思いました。
 でも、私には、クリムトの絵がなぜ19世紀末ウィーンで誕生したかより、なぜ最近受けているのかの方を分析して欲しい気がします。


木島俊介 六耀社 2007年12月5日発行
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