2010年4月にチリで行われた第13回世界最優秀ソムリエコンクールの様子を取材して紹介した本。
著者はNHKのディレクターで、2010年に放映した番組の取材に追加取材して出版したもの。
世界最優秀ソムリエコンクールは3年毎に開催され、参加するソムリエは英語、フランス語、開催地国の言葉の3つの言語からエントリーする言語を選択するのだが、その際母語は選択できないルールになっているそうです(19ページ、39ページ)。参加者間の公平のためということですが、こういう配慮がされている世界大会というのは珍しいんじゃないでしょうか。フランス代表のソムリエが、英語もしゃべれるが、「フランス語は語彙が豊富だから、香りや味の細かなニュアンスが表現できる。それに比べて英語はとても制限がある。ワインについての自分の考えが、うまく伝えられないんだ」と文句を言っています(39ページ)。イギリス人は食べ物に無頓着だからって言ってるようなものですね。実際そうでしょうし。
ソムリエコンクールというと、ブラインドテイスティング(ワインを試飲して産地、ブドウの品種、生産年を当てる)で決まるのかと思っていたら、筆記試験やサービス試験(審査員が客になってソムリエが客の希望に応じてワインを開栓しグラスに注ぐなどして出す)にも相当な比重があるのですね。ブラインドテイスティングも、準決勝、決勝での各ソムリエの出した答えと正解が書かれていますが、世界の一流ソムリエが競う最高レベルの場でも、ほとんど当たらないものだなと、ちょっと安心するようなそれでいいんだろうかと思うようなアンビバレントな感想を持ちました。
コンクールの様子は、TVスタッフらしく、ドラマティックに描かれ、日本代表ソムリエの闘いや、決勝の様子など、緊迫感のある読み物としても楽しめます。
2013年3月に東京で開催された第14回コンクールにあわせてその直前に発売されたのですが、そうはいっても3年前の話を読まされるのは、きょっと気の抜けた感じがします。
角野史比古 中央公論新社 2013年2月25日発行
著者はNHKのディレクターで、2010年に放映した番組の取材に追加取材して出版したもの。
世界最優秀ソムリエコンクールは3年毎に開催され、参加するソムリエは英語、フランス語、開催地国の言葉の3つの言語からエントリーする言語を選択するのだが、その際母語は選択できないルールになっているそうです(19ページ、39ページ)。参加者間の公平のためということですが、こういう配慮がされている世界大会というのは珍しいんじゃないでしょうか。フランス代表のソムリエが、英語もしゃべれるが、「フランス語は語彙が豊富だから、香りや味の細かなニュアンスが表現できる。それに比べて英語はとても制限がある。ワインについての自分の考えが、うまく伝えられないんだ」と文句を言っています(39ページ)。イギリス人は食べ物に無頓着だからって言ってるようなものですね。実際そうでしょうし。
ソムリエコンクールというと、ブラインドテイスティング(ワインを試飲して産地、ブドウの品種、生産年を当てる)で決まるのかと思っていたら、筆記試験やサービス試験(審査員が客になってソムリエが客の希望に応じてワインを開栓しグラスに注ぐなどして出す)にも相当な比重があるのですね。ブラインドテイスティングも、準決勝、決勝での各ソムリエの出した答えと正解が書かれていますが、世界の一流ソムリエが競う最高レベルの場でも、ほとんど当たらないものだなと、ちょっと安心するようなそれでいいんだろうかと思うようなアンビバレントな感想を持ちました。
コンクールの様子は、TVスタッフらしく、ドラマティックに描かれ、日本代表ソムリエの闘いや、決勝の様子など、緊迫感のある読み物としても楽しめます。
2013年3月に東京で開催された第14回コンクールにあわせてその直前に発売されたのですが、そうはいっても3年前の話を読まされるのは、きょっと気の抜けた感じがします。
角野史比古 中央公論新社 2013年2月25日発行