ただ本を速く大量に読むだけでは意味がない、アウトプット、特に人に(5分間)話すことを意識して読むことで使える知識になるという、読書法というか読書の姿勢と勉強法の本です。
「1冊の本の中で、読み手が本当に必要な情報というのは、極論すれば1行です。」(120ページ)って、これはどうでしょう。書き手が本当に書きたいことは煎じ詰めると1行というのはよくいうというか、特にビジネス書なんてそうだと思うんですが、読み手の方は、ケース・バイ・ケースじゃないかなぁ。著者は、経験上本の8割は無駄で読むべきところは2割くらい(122ページ)として、必要なところだけを読むことをポイントにしています。
最初にその本から得るべき情報を決めて読む、端的に自分にとって必要な本を読むというパターン。この場合は、私も仕事の必要性からよくやります(例えば裁判所に提出する書類を書くときに必要な情報だけをそれが書いてありそうな本から引っ張り出して確認するとか)が、それは「読書」じゃなくて「勉強」「調査」「裏取り」だろうと思います。この本では、もう1パターン、必要性に応じてではなく本を読むパターンで、タイトル、目次、はじめに、あとがき、著者プロフィール、帯をよく読んでその本の中心点を捕まえ、その後、中心点が書いてあるところを探し(最初には読まないためにあえて最後から逆に見開き2秒で眺めてチェックするそうです)中心点が書いてあるところだけを読むというのが著者の方法論となっています。
「『本を1冊読み終えないと、本を読んだことにはならないのではないか』と思い込んでいる人がいます。でも、そんなことはありません。『自分にとって必要な情報』を取ることができれば(そして、その情報を活用することができれば)、たとえ数ページしか読んでいなくても、『本を読んだことになる』のです」(126~127ページ)。このあたり、価値観が別れるところで、私には、この本の主張は、読書術・読書法じゃなくて勉強法だと思います。情報収集のための本の活用法として、正しい側面を持っていると思いますが、この読み方で月何冊とか年間何冊という議論をするのはどうかなぁと思います。
業務上の必要性から、今必要な情報をいかに速く効率的に探し出すかという本の使い方と、娯楽として(教養としても含む)の読書は、やはり、読み方が違うと思うのですが、それをくっつけようと(一貫させようと)しているところにやや無理を感じました。
小田全宏 ソフトバンククリエイティブ 2013年5月6日発行
「1冊の本の中で、読み手が本当に必要な情報というのは、極論すれば1行です。」(120ページ)って、これはどうでしょう。書き手が本当に書きたいことは煎じ詰めると1行というのはよくいうというか、特にビジネス書なんてそうだと思うんですが、読み手の方は、ケース・バイ・ケースじゃないかなぁ。著者は、経験上本の8割は無駄で読むべきところは2割くらい(122ページ)として、必要なところだけを読むことをポイントにしています。
最初にその本から得るべき情報を決めて読む、端的に自分にとって必要な本を読むというパターン。この場合は、私も仕事の必要性からよくやります(例えば裁判所に提出する書類を書くときに必要な情報だけをそれが書いてありそうな本から引っ張り出して確認するとか)が、それは「読書」じゃなくて「勉強」「調査」「裏取り」だろうと思います。この本では、もう1パターン、必要性に応じてではなく本を読むパターンで、タイトル、目次、はじめに、あとがき、著者プロフィール、帯をよく読んでその本の中心点を捕まえ、その後、中心点が書いてあるところを探し(最初には読まないためにあえて最後から逆に見開き2秒で眺めてチェックするそうです)中心点が書いてあるところだけを読むというのが著者の方法論となっています。
「『本を1冊読み終えないと、本を読んだことにはならないのではないか』と思い込んでいる人がいます。でも、そんなことはありません。『自分にとって必要な情報』を取ることができれば(そして、その情報を活用することができれば)、たとえ数ページしか読んでいなくても、『本を読んだことになる』のです」(126~127ページ)。このあたり、価値観が別れるところで、私には、この本の主張は、読書術・読書法じゃなくて勉強法だと思います。情報収集のための本の活用法として、正しい側面を持っていると思いますが、この読み方で月何冊とか年間何冊という議論をするのはどうかなぁと思います。
業務上の必要性から、今必要な情報をいかに速く効率的に探し出すかという本の使い方と、娯楽として(教養としても含む)の読書は、やはり、読み方が違うと思うのですが、それをくっつけようと(一貫させようと)しているところにやや無理を感じました。
小田全宏 ソフトバンククリエイティブ 2013年5月6日発行