伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年も目標達成!

ゼロからはじめる建築の[歴史]入門

2020-11-12 21:48:09 | 自然科学・工学系
 建築の技術技法、デザインについての歴史をイラスト中心で解説した本。
 イラストは、イラストレーターの記載もありませんので著者自身のもののようですが、そのできが素晴らしく、その部分ではわかりやすく魅力的な本です。説明も、一応初心者を意識している感じで、用語の意味や語源、略語の意味等の知識は増えます。
 他方で、Q&A形式なんですが、ふつうにQ&A形式にありがちな読者が聞きたい質問じゃなくて著者が説明したいことに合わせた質問だというレベルを超えて、建築の専門家じゃなければ聞きようがない、そもそも質問の対象とされている建築物や人物自体知らないような質問が多く、答の方も著者の問題関心がストレートに出たわりと趣味的なものに思えます。まぁ、著者の好みや意見が前に出た解説自体は、むしろ小気味よい感じですが。
 また、冒頭のヨーロッパ建築史概観と日本建築史概観は時代を追って書かれているのですが、その後はテーマ別の組積造、軸組構造、木造小屋組、オーダー(柱、付柱、装飾柱)の章立てとなり、「歴史」という形で把握しにくく、この点も建築の初心者には読みにくくなっています。


原口秀昭 彰国社 2020年9月10日発行
コメント
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